安部仁美個展「The Metaphoric Basket」
この度、東京都港区に位置する「ESCAPERS AN OTHER WORLD」で、竹工芸作家の安部仁美による個展「The Metaphoric Basket」が開催されます。安部氏は、日常と非日常の間にある余白を楽しむことをテーマに、竹という素材を使い、伝統的な技法を駆使して作品を制作しています。
展示される作品たち
本展では、工房設立からこれまでの10年間の軌跡を辿る作品が紹介されます。「竹と石のオブジェクト」や、「ブリム」シリーズ、「フリンジ」シリーズ、さらには新作のオブジェクトに至るまで、多彩な竹工芸の魅力にふれることができます。特に、「ブリムシリーズ」の花籠は、手付きのバスケットにディスクを被せたデザインで、帽子のブリムを模したユニークさが際立っています。このディスクは取り外しも可能で、様々な使用方法が楽しめます。
ブリムシリーズの制作技術
制作にあたって安部氏は、「作品の完成度の八割は竹の加工で決まる」と語ります。作品によって変わりますが、竹の加工だけでも丸二日もの時間が必要です。真竹から生み出される細い竹ひごはすべて手作業であり、繊細な工程を経て初めて美しく精緻な造形が誕生します。このような丁寧な作業が、安部氏の作品に対する思いを物語っています。
フリンジシリーズの魅力
また「フリンジシリーズ」では、竹ひごをフリンジとしてデザインし、カットによって形を変化させる楽しさを提案しています。前髪を整えるように、使いながら自身が自由にスタイルを変えていくことができる、柔軟性のある作品です。
筥(はこ)シリーズ
続いて「筥(はこ)シリーズ」では、手に収まる小さなものから背の高いものまで様々なサイズが展開されています。蓋のデザインは、拝み合わせに仕上げられ、籐の飾りで装飾されています。このシリーズは、何を入れるかは使用者の想像力にお任せし、余白を持ったデザインが多くの楽しみ方を提供します。
竹と石のオブジェクト
さらに「竹と石のオブジェクト」では、海で探した丸い石に竹ひごを巻き付け、竹の質感を表現しています。竹の軽やかさと石の重みの対比を楽しむことができ、経年変化による色や質感の変化にも注目です。
展覧会の詳細
この個展は2025年12月5日(金)から12月15日(月)までの期間で開催され、12月11日(水)と12月12日(木)は休廊日となっています。安部仁美氏の在廊日は初日となりますので、ぜひこの機会に直接お話しできるチャンスをお見逃しなく。
作家プロフィール
安部仁美は、女子美術大学で生活デザインを学んだ後、仏MAISON MARTIN MARGIELAの立ち上げに参加。大分県で竹工芸の技術を学び、現在は日出町のアトリエで創作活動を行っています。
開催場所
「ESCAPERS AN OTHER WORLD」は日常に寄り添い、特別な瞬間を呼び起こすジュエリーや工芸作品を手掛けることで知られています。今回の個展は、安部仁美の作品を通じて、日常生活に新たな視点を提供してくれることでしょう。場所もアクセスしやすいおしゃれな立地ですので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
- - 住所: 東京都港区北⻘⼭3-7-10 D2 Place 1F
- - 電話: 080-7508-9967
- - 営業時間: 12:00 - 18:00
- - 定休日: 木曜日
- - Instagram: @escapers_another_world
安部仁美の竹工芸の世界観に触れ、ぜひ新たなインスピレーションを得てください。