現代アートの新たな視点を探る企画展『書の地形学』
2025年4月25日(金)から5月12日(月)にかけて、東京・南青山のYUGEN Galleryにて企画展『書の地形学』が開催されます。本展は、現代美術の一つとしての「書」に焦点を当て、4名の作家—山本尚志、AKIKO、Kazumi Okamoto、田中岳舟—の多様な表現を紹介します。
書の新たな可能性
書とは伝統的な文様や文字の表現を超え、現代アートの一環として新たな地平を切り開いています。本展では、作家たちが独自のアプローチで「書」に挑み、その作品を通じて記号としての風景性と、視覚的な構造としての美を提示します。特に、山本尚志氏の新作『Waterfalls』やAKIKO氏のオノマトペを通じた表現は、観客に新鮮な驚きをもたらすことでしょう。
作家の多彩な表現
山本尚志氏は、彼の代表作である『Highway Lanes』シリーズに加え、未発表だった『Waterfalls』シリーズも披露します。日常の風景をエスキースとして表現する一方で、力強いタッチが印象的な作品を展覧します。
AKIKO氏は、オノマトペを駆使して構成された記号から、一種の心象風景を浮かび上がらせます。その作品は、見る者に言語のもつ奥深い美しさを再認識させてくれるでしょう。
Kazumi Okamoto氏は、書を「音に“カタチ”を与える手段」と位置付け、視覚だけでなく聴覚とも結びつけた独自のアプローチを展開しています。これにより、観客は過去の記憶や感情の断片を作品の中に見出すことができるかもしれません。
田中岳舟氏は、建築の知識を活かし、書そのものの二次元と三次元性の両立を目指したドローイング作品を発表します。彼の作風は、視覚と空間の共鳴を感じさせ、従来の書の概念を覆します。
書と絵画の境界を超える
この展覧会のコアとなるテーマは、「書く」と「描く」、それに「読む」と「観る」という行為の交差です。一見矛盾するように思えるこれらの行為ですが、作家の作品はそれを不断に行き来します。彼らの表現は、単なる風景や記号の再構成を超え、書と絵画の境界線を曖昧にし、私たちに新たな視覚的体験を提供します。
関連イベントの開催
展覧会の期間中、5月10日(土)18:00からは、作家の山本尚志氏と美術評論家の清水穣氏によるトークイベントも予定されており、書と美術批評の関係性を深掘りする貴重な機会となります。
さらに、会場では出展作家のインタビューやエッセイを収録した小カタログも配布予定。ぜひこの機会に、一歩足を運んで現代美術の新たな地平を感じてみてはいかがでしょうか。
参加情報
- - 展覧会名称: 書の地形学
- - 期間: 2025年4月25日(金)〜5月12日(月)
- - 開館時間: 平日 13:00〜19:00 / 土日 13:00〜20:00
- - 場所: YUGEN Gallery (東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル4F)
- - 入場料: 無料 (事前予約不要)
- - 公式サイト: YUGEN Gallery
アートを愛するすべての方々の訪問を心よりお待ちしております!