ベントレーが新たなデザインスタジオを公開
2025年7月8日、ベントレーモーターズは、その歴史的な建物「フロント・オブ・ハウス」を新たなデザインスタジオとして生まれ変わらせました。このスタジオは、敷地内で最も長い歴史を持つ建物で、ベントレーの根幹を成す施設です。新たなデザインの拠点は、約4,000人の従業員と共に盛大に開催された式典でお披露目され、業界内外の注目を集めました。
歴史と現代が同居する空間
「フロント・オブ・ハウス」は、1939年に設計されたもので、エリザベス女王陛下をはじめとする多くの賓客を迎えてきた象徴的な場所です。今回の改装では、可能な限り既存構造を生かしつつ、従来の約2倍の面積に拡張。新たに設けられた3階には、ベントレーのデザイナーたちが自由に未来のデザインに取り組めるクリエイティブな環境が整っています。全体の設計方針は「修復重視」で、歴史的な価値を保ちながら現代的なデザインが施されています。
特に、1939年製の真鍮製階段は丁寧に修復され、過去と未来の交差点を象徴する記念プレートが設置されています。これは、ベントレーが大切にしている伝統と革新の融合を象徴しています。新たなスタジオでは、約50名のデザイナーが一堂に会し、カラー&トリム部門やビスポーク部門、UX/UIデザイナーたちとの密接なコラボレーションが行われる予定です。
サステナビリティへの取り組み
ベントレーは、カーボンニュートラル工場の実現を目指し、サステナブルな取り組みを継続的に推進しています。デザインスタジオは、環境負荷を考慮しつつ、ラグジュアリーな車両を生み出すための戦略的な進化を遂げていくことでしょう。新たなスタジオの開設は、ベントレーの理念である「歴史的価値を守る修復」を具体化するひとつの証です。
コメントによる展望
会長兼CEOのフランク=シュテファン・ヴァリザー博士は、デザイン史上の大きな変革に必要不可欠なステップを踏み出したと述べています。デザイナーたちに革新的で創造的な環境を提供することで、ベントレーの未来を築いていくのだと語ります。また、製造担当取締役のアンドレアス・レーヘ氏は、ルーツを大切にしながらも現代的に進化する姿勢を誇らしく思っているとコメントしています。
今後の展望
ベントレーは「ドリームファクトリー」と呼ばれる本社の大規模な再構築に取り組んでおり、これはラグジュアリーブランド業界において前例のない規模の投資となります。新スタジオの開設は、その活動の一環に過ぎず、業界の未来を切り開く重要な一歩です。次世代のクルマ作りを模索し続けるベントレーの挑戦から目が離せません。