2025年8月のECサイト表示速度ランキングと特徴
デジタルビジネスを支援する株式会社ギャプライズが、国内ネット通販事業者のECサイト表示速度ランキングを発表しました。このランキングは2025年8月時点のデータに基づき、通販新聞社が発表した上位300社の中から、月間トラフィックが10万以上のサイトを対象にしています。今回の調査は、これらのサイトの表示速度に注目し、改善事例も併せて紹介します。
調査の概要
この調査は、Google社のChrome ユーザーエクスペリエンスレポートの公式データセットを使用しており、モバイルデバイスのLargest Contentful Paint(LCP)を基準に評価されます。LCPはウェブページを開いてからメインコンテンツが表示されるまでの時間を測定するもので、この数値が小さいほどユーザーはスムーズに情報を受け取ることができます。
LCPの重要性
GoogleはLCPの基準を設定しており、2.5秒以内にLCP要素が表示される場合、ユーザー体験は良好とされ、逆に4秒を超えると評価が低下します。実際に、LCPを短縮することで、ユーザーのストレスが軽減され、サイトの利便性が向上するという改善事例も確認されています。
上位サイトの概要
今回の調査において、上位10サイトは全てLCP1.2秒以下を達成しています。特に、1位の「ムラウチドットコム」をはじめとして、「あみあみオンラインショップ」、「BAYCREW’S STORE」といったサイトが、その速度の高さで際立っています。全体の72.9%にあたる197サイトがLCP2.5秒以内の表示速度を記録しており、多くのECサイトが表示速度改善の重要性を認識し、取り組んでいることが示唆されています。
継続的な努力の必要性
1位の「ムラウチドットコム」から6位の「蔦屋書店」までは、先月と同様の位置をキープしており、上位陣に大きな変動は見られませんでした。この結果は、表示速度改善が簡単な課題でなく、持続的な努力が必要であることを物語っています。そのため、改善策の実施には時間とリソースを要するでしょう。
Core Web Vitalsの新指標INP
さらに、今月の調査で注目されるのはCore Web Vitalsの新しい指標であるINP(Interaction to Next Paint)です。この指標は、ユーザー操作に対するウェブページの応答性を測り、LCPとともにサイトパフォーマンスの向上に寄与します。インタラクション性能を維持することが、良好なユーザー体験を提供するために重要であることが分かります。
改善策の具体例
上位サイトのスコア向上は、以下のような取り組みによって実現されています:
- - JavaScriptの実行最適化: 不要なスクリプトを削除したり、実行を非同期にすることで、ページの読み込み時間を短縮。
- - イベントハンドラーの効率化: ユーザーのインタラクションに迅速に対応できるよう、イベントハンドラーを改善。
- - レンダリングパフォーマンスの向上: 画像の圧縮や最適化、リソースの最適な配置によって、ページの表示速度を向上。
まとめ
今回の調査結果は、ECサイトの表示速度改善が単なるトレンドではなく、持続可能な施策として考慮されていることを示しています。ギャプライズは、引き続き様々なウェブサイトのスピード改善サービスを提供し、クライアントのビジネス成長を支援していく所存です。今後も、業界の変化に応じた適切な施策を採用し、顧客体験の向上に繋げていきます。様々な改善事例を知りたい方は、ぜひ当社メディアMarTechLabをご覧ください。