小型モータの高効率化を支える新技術
日本金属株式会社は、株式会社JSOLが開発する電磁界解析ソフトウェア『JMAG』に、同社の無方向性極薄電磁鋼帯「STシリーズ」の材料データを正式に搭載したことを発表しました。この新たな取り組みにより、JMAGユーザーは長年の煩わしさから解放され、シミュレーションを利用したモータ設計が大幅に効率化されることが期待されています。
JMAGの革新
電磁界解析ソフトウェア『JMAG』は、モータや発電機、トランス、アクチュエーターなどの設計・開発において、その性能や挙動を予測・評価するために広く用いられています。最新のバージョンであるVer.24.2には、STシリーズの材料データが追加され、ユーザーは自分で材料データを入力する手間を省くことが可能となります。これにより、開発期間の短縮が図られ、多くの技術者にとって有益な環境が整います。
STシリーズの特長
当社の「STシリーズ」は、厚さわずか0.050~0.150mmの電磁鋼帯で、従来の一般的な電磁鋼帯(約0.35mm)とは一線を画す薄型化が実現されています。この薄型デザインは、モータ内で発生する渦電流損失を抑制し、400Hzから20,000Hzの高周波領域において優れた低損失特性を持つため、モータの高効率化に寄与するのです。
幅広い応用
この極薄電磁鋼帯は、ドローンや精密機器、医療機器、さらには航空宇宙機器や電動工具など、多岐にわたる分野で応用されています。特に、小型高速モータにおいては、この技術が効率性や小型化、軽量化に直結し、実用性を高めています。
環境への配慮
日本金属の極薄電磁鋼帯は、高い性能によるエネルギー削減効果から「エコプロダクト」として認定されています。同社は、2030年のCO₂排出量削減目標を設定し、持続可能な製品の普及を目指しています。環境への配慮を重視し、持続可能なものづくりを追求する姿勢は、今後の産業にも大きな影響を与えるでしょう。
新たな製品ラインアップ
本年9月にリリースされたJMAG Ver.24.2には、以下の新しい材料データが追加されました:
- - ST050(板厚0.05mm)
- - ST080(板厚0.08mm)
- - ST100(板厚0.10mm)
- - ST150(板厚0.15mm)
日本金属はまた、方向性極薄電磁鋼帯「GTシリーズ」でも実績があり、今回のSTシリーズを含む極薄磁性材料は、ユーザーの次世代パワーエレクトロニクス機器や高効率モータの革新的な開発を支援します。
まとめ
今後、モータ開発においてはこの新しい材料データの搭載が重要な鍵となるでしょう。JMAGとSTシリーズのコラボレーションにより、業界全体に革新がもたらされ、持続可能な未来へ向けた更なる発展が期待されます。当社の取り組みにぜひご注目ください。
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この機会に、モータ開発における最適なソリューションとして、JMAGとSTシリーズの利用を検討してみてはいかがでしょうか。