新たな消火技術の開発へ向けた取り組み
株式会社ニチボウと東京消防庁が手を組み、リチウムイオン電池(LiB)火災への対処を目指した共同研究開発が始まりました。このプロジェクトは「東京消防庁INNOVATION PROJECT」として採択され、今後2年間の研究にわたり進められます。さまざまなデバイスに使用されるLiBの急速な普及に伴い、その発火リスクが高まり、結果として火災件数が増加している現状があります。東京消防庁はその知見をもとに、民間企業との連携によって新しい消火方法や資器材を開発する必要性を感じ、このプロジェクトを立ち上げました。
1. AVD消火剤の役割
共同研究で中心となるのは『AVD消火剤』です。この消火剤は、熱暴走を抑制し、再燃を防ぐだけでなく、燃焼物を封じ込める特性があります。具体的には、AVD消火剤はバーミキュライトを原料とした液体で、火源に接触することで効果的に熱を奪い、冷却します。また、バーミキュライトの微細な粒子が燃焼表面を覆うことで、酸素との接触を遮断し、燃え上がることを防ぎます。このように、環境にも優しい特性を持つAVD消火剤は、多くの国で認証を受けた実績があります。
2. 開発予定の消火資器材
ニチボウが目指す消火資器材は、公共交通機関やバッテリーを扱う場所向けに特化しています。急速に増えているLiBを扱う現場では、火災が発生すると迅速な対応が求められるため、火源から一定の距離を保ちながらも消火剤を放射できる機器が開発されます。さらに、ファイヤーブランケットとの組み合わせによる効果も検証され、改良がなされる予定です。
3. 東京消防庁との密接な連携
研究の実施にあたり、東京消防庁はその専門的な知見を提供し、実験施設を活用して実際の燃焼試験が行われます。これにより、AVD消火剤の消火効果や再燃抑制効果、温度変化などのデータが収集され、現場の実態に即した資器材が試作される予定です。このプロセスを通じて、消防職員からのフィードバックを基に資器材の改良が行われます。
4. 社会への実装とニチボウの使命
ニチボウは、今回の研究開発を通じて得られた知見やデータを東京消防庁や全国の消防本部に提供し、広く社会に還元する意向を示しています。開発された消火資器材は、公共交通機関やLiBを扱う事業所向けに展開し、安全と安心を確保することを目指しています。
5. 会社概要と連絡先
最後に、ニチボウの会社概要をご紹介します。東京都品川区に本社を置く株式会社ニチボウは、防災設備の研究・開発・施工を行っている企業です。今後も社会の発展に寄与するため、LiB火災のリスクを最小限に抑える取り組みを続けていきます。
お問い合わせは、特に特殊装置部の甲賀 裕一までご連絡ください。