はじめに
令和8年7月、小林製薬が大阪市に対して行った質問状に対し、行政からの回答がありました。このやり取りを通じて明らかになったのは、大阪市が微生物に関する基本的な知識—すなわち "種" と "株" の違いを認識していなかったという事実です。この問題は、品質管理や食品安全において非常に重要な意味を持つものです。
行政の対応の問題
小林製薬が使用していた紅麹菌「BP-412株」は、紫外線照射を受けた工業用変異株です。このことに関して、大阪市は「この株について検討した記録は存在しない」としています。このような判断ミスは、適切な品質管理がなされていないことを示唆しています。同じ菌種であっても、株によって性質が全く異なるため、短絡的な判断が多くの誤解を生むことになります。
なぜこの問題が重要なのか
微生物学の基本的な知識によれば、菌の性質を決定するのは "種" ではなく "株" です。例えば、無害な大腸菌と致死性のO157株が同じ大腸菌という種に属していても、その性質は全く異なります。もし、今の状況を大腸菌に例えるなら、特定の株から有害物質が検出されたことを理由に、全ての大腸菌を含む製品が回収されるような極端な対応がとられたのです。
小林製薬の事例
今回の紅麹問題において、小林製薬の特定製造ラインで使用されていた工業用変異株が原因とされていますが、大阪市と厚生労働省がこの事実を正確に把握していなかったために、無関係な事業者も風評被害を被っています。行政の対応はこの事実を反映していないため、消費者の安全が脅かされる可能性があるのです。
求める透明性
小林製薬は次の点を明確にするよう求めています。まず、BP-412株が工業用変異株であるという事実を踏まえた対応の経緯を説明すること。次に、実際に分離された菌株の特定や産生能試験についての結果を示すこと。そして、機能性表示食品制度が工業用変異株の代謝物について機能しないことを認めることです。
最後に
報道関係の皆様には、行政発表をそのまま受け入れるのではなく、どの菌株についてのどの試験結果であったのかを、原典に基づいて確認するようお願い申し上げます。正確な情報を元にした判断が、消費者の安全を確保するためには不可欠です。
お問い合わせ
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