18歳成人の認識と新社会人の実感調査
2022年に成人年齢が18歳に引き下げられた日本。これにより、高校卒業後すぐに社会に出る新社会人たちが法的な大人として歩み出すことになりました。しかし、本当に彼らは「大人としての実感」を持っているのでしょうか?本記事では、株式会社ジンジブによる高卒新社会人向けの調査結果に基づき、彼らの「大人」の認識について掘り下げてみます。
調査の背景と目的
ジンジブは、18〜20歳の高卒新社会人を対象に「大人の実感」に関するアンケートを実施。特に、法的な成人年齢と彼ら自身が感じる「大人像」にはギャップが存在しています。本調査は、彼らが直面する現実や理想を理解し、企業や保護者がどのように高卒新社会人をサポートできるかを考える意義のあるものです。
調査概要
- - 実施期間: 2025年11月10日〜11月21日
- - 対象: 高卒新社会人(18〜22歳)156名
- - 方法: ROOKIE’S CLUB 参加者へのアンケート
調査結果の概要
1. 大人の実感の程度
アンケートに回答した156名の新社会人に、現在の成人としての自覚を尋ねたところ、約45%が「とても実感している」または「実感している」と回答しました。しかし、32%はあまり実感していないとの意見もあり、法的年齢と精神的自覚との間には明確なギャップがあることが浮き彫りとなりました。
2. 大人になる自覚のタイミング
大人になったと自覚した年齢について尋ねたところ、67.6%が「18歳」と回答。この年齢での自覚は、高校卒業後すぐに社会人として働くことと強く結びついていることがうかがえます。一方、19歳と答えた人も20.6%おり、社会経験がその時期に影響を与えていることがわかります。
3. 18歳を大人と思うか?
46.2%の人が「18歳は大人だと思う」と回答しましたが、34%はそう思わないとの結果も。不安定な心情や未熟な状況が背景にあるのかもしれません。
4. 「大人だと感じる理由」
「働くこと」が自覚の大きな要因となることが明らかに。特に60.2%が「働いてお給料をもらったとき」という意見を挙げており、経済的な自立が大人の自覚に直結しています。
5. 大人でない理由
「精神的に自立できていない」との意見が71.7%と圧倒的。精神面での未熟さが、彼らにとっての大人の認識を阻害していることがわかります。
理想の大人像と現実
理想の大人として最も多かったのは「自立していて自身の力で生活できる」という回答で、59.6%がそのように述べています。また、仕事とプライベートを両立できる大人像が求められています。しかし、実際の仕事に対する現実とのギャップも多く、経済的・時間的な余裕がない状況に、彼らは多くの不安を抱えていることがわかります。
結論と今後の展望
この調査から、18歳で成人と認められた新社会人が感じる「大人」とは、経済的自立と精神的な成熟の両立が必要不可欠であることが明らかになりました。企業は彼らを理解し、育成やサポートを行っていくことが今後の社会においてますます重要になるでしょう。18歳の社会人たちの自立と成長を願ってやみません。