ラオ日栄養改善プロジェクトの始まり
2025年12月15日、ラオスの首都ビエンチャンで行われた調印式で、ラオス保健科学大学と日本栄養士会の間に基本合意書が締結されました。この「ラオ日栄養改善プロジェクト」は、ラオスにおける栄養改善を目的にした重大な取り組みで、地域社会の栄養状態の向上と栄養士の養成を目指しています。
プロジェクトの背景
ラオスでは、5歳未満の子どもの約33%が発育阻害の状態にあるという深刻な栄養不良の問題に直面しています。この状況を受けて、ラオス政府は栄養不良を解消するための取り組みを国挙げて進めています。一方、日本の栄養士会も国際協力の一環として、栄養改善に向けた支援を行うことを決めました。
基本合意書の内容
基本合意に基づくプロジェクトには以下の2つの柱があります。
1.
地域栄養改善事業
- 母子向けの離乳食支援
- 児童向けの栄養教育支援
2.
栄養士養成プログラムの創設
- ラオス保健科学大学において専門の栄養士養成課程を設ける。
実施の流れ
プロジェクトは2026年1月から2027年12月まで実施され、ビエンチャン首都圏サントン郡を中心とした活動が展開されます。具体的には、乳幼児や児童を対象とした栄養状態の改善や、食習慣の普及を目指したプログラムが導入されます。さらに、調査および介入の実施を通じて、他地域に展開可能な栄養改善モデルの構築も目指します。
開会挨拶と祝辞の内容
調印式では、ラオス保健科学大学のマイフォン・メイサイ学長が「ラオスの歴史にとって重要な一日」として、この取り組みの重要性を強調しました。また、日本ラオス友好議員連盟の会長である衆議院議員土屋品子氏も、プロジェクトによって日本の栄養士の専門性が海外で活用されることを期待しています。
日本栄養士会の役割
公益社団法人日本栄養士会は、約5万人の会員で構成されており、食生活支援や食環境の整備に注力しています。今回のプロジェクトを通じて日本の知見を活かし、国際的な栄養状態の改善に寄与することを発表しました。
未来への展望
ラオ日栄養改善プロジェクトは、地域の栄養士が主体的に活動できる環境を整えることを目指し、持続可能な農業や食文化の発展にも寄与していくことでしょう。今後、ラオスにおける栄養士育成と栄養改善の手法は、他国への発展的なモデルにもなる可能性を秘めています。
この取り組みが未来に向けた大きな一歩となり、ラオス国全体の健康と福祉向上につながることを期待しています。