子どもたちのための金融教育、その一歩を踏み出す"キッズフリマ"
近年、金融リテラシーが重要視される中、子ども向けの金融教育を実践するイベント「キッズフリマ」が東京・大阪・香川で開催されました。この取り組みは、NPO法人キッズフリマが国際的な金融教育啓発活動「グローバル・マネー・ウィーク」に参加したもので、参加者数は総計1,183名にのぼりました。
「キッズフリマ」の目的と意義
「キッズフリマ」は、子どもたちが主体的にお金について学び、経済感覚を身につけることを目指した体験型のイベントです。小学生以下の子どもが動き回り、彼らだけで売買を行うことで、金融リテラシーを自然に身につけられます。フリーマーケットという形式の中で、大人が介入せず、子ども同士が交渉し、時には失敗しながら学ぶ姿勢を育てています。
イベントの実施内容
このイベントは、以下のような日程と場所で実施されました。
- - 3月1日(土):アトレ目黒(東京都)
- - 3月9日(日):泉大津市中央店街(大阪府)
- - 3月20日(木・祝):高松シンボルタワー(香川県)
- - 3月30日(日):アトレ大森(東京都)
参加者からは、イベントを通してお金に対する考え方が変わったというポジティブな意見が集まりました。アンケートによれば、保護者の約90%が、子どものお金に対する考え方や意識が変わったと回答しています。
保護者の意見から見える教育の現状
イベント後のアンケートには、金融教育に関する興味深い結果が示されました。「お金の学びは必要ですか?」という質問には全ての保護者が「はい」と回答し、87%が普段から子どもとお金について話し合っていると答えました。しかし、72%は家庭内でのお金の教育を難しいと感じていることもわかりました。
具体的には、以下のような声が寄せられました。
・お金の価値を家庭内でどのように伝えるかが難しい。
・キャッシュレス社会の影響で、子どもが現金に触れる機会が減少している。
・お金の使い方や貸し借りに関する教育が難しいと感じる。
これらの声からは、金融教育の重要性と同時に、家庭内での教育に関する課題が浮き彫りになっています。
グローバル・マネー・ウィークとは?
「グローバル・マネー・ウィーク」は、OECDが主催する国際的な金融教育活動で、世界各国で子どもたちが金融リテラシーを得られるように企画されています。キッズフリマは、この活動の一環として、子どもたちがリアルな取引を通してお金の価値を理解できる機会を提供しているのです。
キッズフリマの特徴と影響
「キッズフリマ」は2006年から続くプロジェクトで、全国での開催数は1,000回を超え、23万人以上の子どもたちが参加しています。イベントを通して得られる主な学びは、以下の3つです:
1.
お金のリテラシー:実際のお金を使うことで商売の面白さを体験しながら学ぶ。
2.
リユース意識:不要な物の価値を他者に伝える中で物を大切に扱う姿勢が養われる。
3.
コミュニケーション能力:接客や値段交渉を通して基本的なコミュニケーションスキルが向上する。
まとめ
キッズフリマは、単なるフリーマーケットにとどまらず、子どもたちが楽しくお金について学ぶための素晴らしい場です。保護者たちの意見からも、金融教育の必要性は強く感じられ、家庭内での教育を補う絶好の機会として注目されています。次回の開催にも期待がかかります。