横浜で楽しむ邦楽の未来と伝統をつなぐ特別公演
横浜みなとみらいホールで行われる「Just Composed in Yokohama」という現代作曲家シリーズが、2026年に向けた企画として注目されています。今年のテーマは「日本の伝統的な音の精神」。このシリーズでは、三味線奏者である本條秀慈郎が初めて邦楽のみの演奏を披露することになりました。
本條秀慈郎は、三味線の可能性を追求し、さまざまなジャンルの音楽に取り組んでおり、新作委嘱の活動を活発に行っています。今回のプログラムは、彼が自ら営む邦楽アンサンブル「J-TRAD Ensemble MAHOROBA」によるもので、国内外の優れた邦楽奏者が共演します。これにより、現代音楽と古典音楽の垣根を越えて、多様な音楽体験が楽しめることが期待されます。
プログラムの魅力
この公演では、三味線を中心に様々な編成で演奏が行われます。本條が選んだ楽曲には、酒井健治や北爪道夫といった作曲家による多面的で高解像度の作品が含まれ、日本独自の精神性を音楽で表現します。また、ドイツで活躍する作曲家・岸野末利加の新作も初演されることが大きな見どころです。
特に注目すべきは、秀慈郎自身によって編曲された、1994年度の公演のために書かれた藤家渓子の《風神》。この作品は、尺八、三味線、胡弓、二十五絃箏などの楽器が調和し、新たな解釈で生まれ変わる瞬間をお楽しみいただけます。今回のイベントは、邦楽だけの演奏としては初の試みであり、音楽ファンにとって特別な経験となることでしょう。
日程とチケット情報
本公演は、2026年3月14日(土曜日)15:00から横浜みなとみらいホールの小ホールで開催されます。チケットは全席指定で販売されており、一般3,000円、65歳以上や障がい者の方は2,800円、大学生は1,500円、高校生以下は1,200円というリーズナブルな価格設定です。チケットの申込は、横浜みなとみらいホールチケットセンターで受け付けていますので、ぜひお早めにお求めください。
関連イベントとレクチャー
また、公演に先立って、現代音楽の専門家である白石美雪が出演するレクチャーイベントもございます。こちらでは、公演内容を深く掘り下げ、話し合いを通じて音楽の魅力をより理解するための場となります。レクチャーは無料で、事前の申し込みが必要です。
デジタルアーカイブの公開
さらに、横浜みなとみらいホールでは、これまでの「Just Composed in Yokohama」シリーズや前身である「日本の作曲家シリーズ」のデジタルアーカイブも公開しています。過去の公演情報を集約し、オンラインでの閲覧が可能です。興味がある方は、ぜひウェブサイトをチェックしてみてください。
本イベントは、日本の伝統音楽の深い魅力を再発見し、未来の音楽創造へとつなげる貴重な機会です。音楽に寄せる情熱と伝統に触れる体験を、ぜひお楽しみください。