キヤノン新SPADセンサー
2025-06-12 14:37:50

キヤノンが開発した新型SPADセンサーの全貌と未来の可能性

キヤノンが開発した新型SPADセンサーの全貌と未来の可能性



キヤノンは、最新技術を駆使し、高ダイナミックレンジを実現した新しいSPAD(Single-Photon Avalanche Diode)センサーを発表しました。このセンサーは、156dBという卓越したダイナミックレンジを持ち、特に暗い環境下でも高い視認性を発揮する点が特徴です。

SPADセンサーの革新技術


新型SPADセンサーは、約210万画素の解像度で、照度が0.1luxという非常に暗い条件下でも、120メートル先の被写体を検知できる性能を誇ります。これは、焦点距離25mm、開放F値1.4で撮影した場合においての成果です。

SPADセンサーは、光の粒子であるフォトンを1個ずつカウントするフォトンカウンティング技術を利用しています。この技術により、わずかな光でも素早く正確に検知することが可能になり、暗闇でも映像を明瞭に再現します。特に、従来のセンサーでは、明るい状況で入射フォトンが一定数を超えると処理が追いつかず、画像が白飛びしてしまう問題がありました。

重み付けフォトンカウンティングの導入


今回の新しいセンサーでは、キヤノン独自の「重み付けフォトンカウンティング」技術が適用されています。この技術は、フォトンがセンサーに到達する初めの時間を計測し、その後の一定時間に到着する総フォトン数を推測することによって、従来の方式と比べて効率的にフォトンをカウントできます。この手法により、156dBという高ダイナミックレンジを達成し、消費電力も約75%減少することに成功しました。

幅広い応用可能性


このSPADセンサーは、監視カメラや自動運転車、さらには産業用途まで幅広く応用されることが期待されています。自動運転や先進運転支援システム(ADAS)の発展に伴い、安全な運転を確保するための高度なセンサー技術が求められていますが、本センサーの導入によってそのニーズに応えることができるでしょう。特に低照度環境や明暗差のある場所での性能向上は、多くの課題解決に寄与します。

技術発表と今後の展開


この新型SPADセンサーに関しては、2025年6月12日、京都で開催される「2025 Symposium on VLSI Technology and Circuits」において発表予定です。キヤノンは今後も、テクノロジーとイノベーションの力を活かし、社会課題の解決に向けた取り組みを続けていくとしています。

これからの技術革新に期待が高まります。自動運転車の進化に欠かせない安全技術として、この新たなSPADセンサーがどのように社会に貢献していくのか、目が離せません。


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