リンヴォックがEU承認
2025-04-28 13:22:23

リンヴォックが巨細胞性動脈炎に対する新たな治療選択肢に、EUで承認される

アッヴィ社のリンヴォックが巨細胞性動脈炎でEU承認



2025年4月8日、アッヴィが開発したリンヴォック(ウパダシチニブ)が、欧州委員会(EC)から巨細胞性動脈炎(GCA)の成人患者に対する治療薬としての承認を取得したことが発表されました。これは、GCA治療薬として欧州において初めて承認された経口のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です。このニュースは、多くのGCA患者にとって新たな治療の選択肢をもたらすものとして注目を浴びています。

巨細胞性動脈炎とは?


GCAは、側頭動脈などの頭部の血管や大動脈に炎症を引き起こす自己免疫疾患で、特に50歳以上の成人に多く見られます。患者はしばしば頭痛や顎痛、筋肉痛に悩まされるほか、視力喪失のリスクも伴います。GCAは、通常、70歳から80歳の年齢層で最も多く見られ、症状の重篤さから、今年の初めに発表されたSELECT-GCA試験ではリンヴォックが注目されることとなりました。

SELECT-GCA試験の成果


SELECT-GCA試験は、リンヴォックの有効性と安全性を評価するために設計された第III相の多施設共同研究です。この試験では、リンヴォック15mgを26週間にわたりステロイド漸減投与と併用し、プラセボ群と比較しました。その結果、主要評価項目や副次評価項目が達成され、リンヴォックが寛解維持に寄与することが示されました。

リウマチ科の専門医であり、SELECT-GCA試験の責任医師であるベルリンのWolfgang Schmidt教授は、GCA患者の治療におけるリンヴォックの重要な役割を強調しています。「GCAは、体力を奪い、生活の質に著しい影響を与える疾患です。この新薬は、患者が寛解維持を図る手助けをすることで、ステロイド使用量を抑えることに寄与します」と語っています。

リンヴォックの特性


リンヴォックは、選択的かつ可逆的なJAK阻害剤であり、多くの免疫性炎症疾患の治療を目指しています。その機能選択性は、細胞内シグナル伝達において重要な役割を果たすため、高い有効性が期待されています。今回のGCAに関する承認で、リンヴォックは欧州において8つ目の適応追加となりました。

アッヴィの科学研究開発部門の責任者であるRoopal Thakkar医師は、「GCAの治療法としての承認は、高齢で慢性疾患を抱える患者にとって新たな希望となるでしょう。リンヴォックは、簡便な経口治療を提供できる画期的な選択肢です」と述べています。

安全性と有効性


SELECT-GCA試験における安全性プロファイルは、リンヴォックが既に承認されている適応症でのデータと一致していました。重篤な感染症の発生率も管理されており、患者の安全性を高める結果が得られています。治験薬に関連する死亡例も報告されていますが、その詳細は評価の対象とされています。

今後の展望


今回の承認は、GCA患者に対する治療の新たな希望となり得る重要なステップです。アッヴィ社は引き続き、リウマチ疾患に関する研究と治療法の開発に励むことで、患者が求める解決策を提供することを誓っています。今後も、リウマチ領域における革新的な研究が進むことが期待されています。

また、アッヴィは患者それぞれのニーズに応えるべく、引き続き新たな治療法を開発し、多くの人々の生活の質を向上させる努力を続けています。リンヴォックの承認がもたらす影響と、その正しい利用方法についての情報が今後も注目されるでしょう。

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