愛知県衛生研究所が可能にしたサステイナブルな未来 - net ZEBの実証プロジェクトに期待

愛知県衛生研究所が実現した持続可能な建物

近年、環境問題への関心が高まり、持続可能な社会の構築が求められています。その中、愛知県名古屋市に位置する「愛知県環境調査センター・愛知県衛生研究所」が注目を集めています。この施設は、全国トップクラスのZEB（Net Zero Energy Building）を目指した先進的な取り組みを行っており、その功績が評価され、空気調和・衛生工学会よりコミッショニング賞を受賞しました。

ZEBとは何か？

ZEBという用語は、建物で年間のエネルギー消費量がゼロになることを指します。具体的には、消費エネルギーが再生可能エネルギーによって賄われることを意味します。愛知県のこのプロジェクトでは、省エネルギー技術と創エネルギー技術の最適な組み合わせを目指しました。

建設の背景

この新しい施設は、愛知県が『環境首都あいち』に相応しい先進技術の導入を目指して立ち上げられました。当初の設計段階から久米設計が中心となり、様々な専門家たちとの協力によって具体化されました。建物は、2020年3月に完成し、延床面積約8,147.46㎡、地上4階の構造を持っています。

コミッショニングと性能検証

愛知県は、ZEBの達成に向けて厳格な性能検証プロセスを導入しました。配置された設備や技術が実際にその性能を発揮しているか、運用段階におけるデータ収集と改善が求められました。特に自然エネルギーの利用や、コージェネレーションシステムを活用した効率的な熱供給が重要な役割を果たしました。

特徴的な環境設備

本施設の空調設備には、太陽熱や井水熱を活用した革新的なシステムが導入されています。さらに、次世代人検知センサーによる効率的な換気システムや省エネルギー照明も設置され、実用性と環境負担軽減の両立を図っています。これにより、運用開始から4年でnet ZEBの実現を果たし、大幅なCO2排出抑制を達成しています。