2025年1月に向けた全国の募集時給の動向
日本では、2020年代中に最低賃金を全国平均1500円まで引き上げるという政府の目標が掲げられています。これに伴い、全国の平均募集時給も年々上昇を続けています。今回の記事では、株式会社フロッグが発表した「2025年1月度 時給1500円に近づく都道府県ランキング」をもとに各地域での募集時給の動向を詳しく見ていきます。
募集時給の上昇状況
2024年には全国の最低賃金が前年に比べ5.08%(51円)増加し、全国加重平均は1055円となります。1500円の目標達成には、2029年までに年々引き上げが求められ、現在のペースでは毎年8%の上昇が必要です。
全ての都道府県で最低賃金が900円を超え、最も高い東京都では1163円となっており、1,500円達成のためには337円の引き上げが求められます。一方、最低賃金が最も低い秋田県では951円から549円の引き上げが必要です。これらのデータは厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」に基づいています。
募集時給のトレンド
2022年1月から2025年1月までの3年間における募集時給の動向を分析したところ、2023年と2024年の秋には最低賃金引き上げに伴い、前月比で1.6%超の上昇が見られました。具体的に言うと、募集時給は2022年の1110円から2025年には1241円に増加し、合計で131円の増加(11.80%上昇)となっています。
都道府県ごとに見ても、上昇率には顕著な地域差があります。特に富山県では最も高い+4.99%の上昇率が見られました。最低賃金を84円引き上げた徳島県でも募集時給が+3.17%増加しています。このように、最低賃金の低い地域では、募集時給も影響を受けやすい傾向があります。
募集時給が1500円に近づく都道府県のランキング
次に、募集時給が1500円に近づいている都道府県を見てみましょう。2025年1月時点で東京都が1384円で1位、神奈川県1322円、千葉県1279円、埼玉県1276円、大阪府1270円と続きます。これらの都市圏では高い募集時給が維持されています。東京都においては、1500円達成まであと116円(+8.38%)のペースで進んでいます。
続いて、募集時給の前年比増加率に着目すると、高知県が+8.72%と最も高い数値を記録しています。現在、高知県の募集時給は1085円で、1500円までにはさらに415円の上昇が必要です。現状のペースが続けば、2030年には目標に達するでしょう。
全国平均の募集時給は2025年1月時点で1241円、1500円まで259円の増加が必要です。全国的に見ても、毎年5%程度の上昇が続けば、2029年には1500円に到達する可能性が高いと言えます。
まとめ
本記事では、フロッグが実施した最新の求人データをもとに「時給1500円」に近づく都道府県の動向を分析しました。首都圏を中心に募集時給が高騰しており、政府の最低賃金引き上げの目標も実現可能であることが示されました。今後もこの情報を参考にしながら、地域ごとの雇用環境の変化に注目していきましょう。
また、求人ビッグデータを活用することで、より詳細かつリアルタイムでの市場分析が可能となります。これが企業の採用活動に役立つことを願っています。