ハワイでの燃料事業
2025-07-22 18:36:48

三菱商事とENEOSが米ハワイで再生可能燃料事業に参画

三菱商事とENEOSが米ハワイで再生可能燃料事業に参画



三菱商事株式会社とENEOS株式会社は、米国ハワイ州のKapolei製油所で推進される再生可能燃料(Renewable Fuel)製造および販売事業に共同出資することを発表しました。本事業への投資額は約150億円で、出資比率は36.5%となっています。両社は、Hawaii Renewables, LLCという合弁会社を設立し、同州での再生可能燃料の製造・販売に取り組みます。

Kapolei製油所はハワイ州で唯一の製油所であり、その既存の精製インフラや物流機能を活かして再生可能燃料の製造を進めています。現在、既存設備の改修作業が行われており、2023年内には再生可能燃料の生産が開始される予定です。この事業では、年間約15万KLの持続可能な航空燃料(SAF)が製造可能で、燃料需要に応じてSAF、再生可能ディーゼル(RD)、および再生可能ナフサの製造比率を柔軟に調整できる仕組みが導入されています。

特に、国際民間航空機関によるCORSIAの導入を受けて、SAFへの需要は今後も増加する見込みです。ハワイ州は航空需要が安定しているため、域内におけるSAFの需要が高まることが期待されています。

本プロジェクトでは、Par Pacific社の製油所運営の知見や米国西海岸での販売ロジスティックスを活用します。また、三菱商事の原料調達や燃料マーケティングのグローバルネットワーク、さらにはENEOSの石油精製業務やバイオ燃料の販売実績など、各社の強みを結集させ、持続可能な社会の実現に貢献する方針です。

Par Pacific社について



Par Pacific Holdings, Inc.は、テキサス州ヒューストンに本社を置くエネルギー企業であり、アメリカ北西部を中心に再生可能燃料や石油製品を供給しています。米国内には4か所の製油所があり、合計で日量21万9,000バレルの精製能力を誇ります。原油貯蔵施設や物流インフラも持ち、小売事業ではハワイで「Hele」ブランドのガソリンスタンド、北西部では「nomnom」ブランドのコンビニエンスストアを運営しています。

三菱商事とENEOSの役割



三菱商事は地球環境やエネルギー、マテリアルといった多様な領域で事業を展開している企業で、今回のプロジェクトを通じてエコシステムの構築に貢献します。一方ENEOSは、長期的なビジョンとしてカーボンニュートラル社会を目指し、国内外でのバイオ燃料事業を強化しています。

この共同参画は、近く各国の規制当局の許認可が必要ですが、両社は積極的にプロジェクトを進め、未来のエネルギー社会の実現に向けた取り組みを強化していく予定です。


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