子どもたちが平和を考える 「平和新聞プロジェクト」
今年、生活協同組合パルシステム千葉から生まれた「子ども平和新聞プロジェクト」。このプロジェクトでは、千葉県の利用者世帯に属している小学5、6年生の4人が、実際に新聞を発行しました。彼らは、戦争の無惨さや平和の重要性を体験し、自己の視点から記事を執筆。その中で、戦後80年という歴史的背景を考えながら、今の世代と次の世代をつなげる貴重な取り組みを行っています。
プロジェクトの始まりと学び
7月12日にスタートしたこのプロジェクトは、元朝日新聞の山瀬一彦氏からの指導により行われました。彼の教えでは、心動かされるような情報を発信することがジャーナリズムの本質だと強調され、子どもたちは具体的な記事の書き方を学びました。
子どもたちは、それぞれの視点を大切にしながら取材を進め、どのように伝えるべきかを真剣に考えました。体験をもとに、彼らはそれぞれ異なる見出しや内容をまとめ、子どもならではの感受性で平和への思いを新聞に託しました。
被爆者との出会い
特に印象深いのは、7月21日に行われたイベントで、被爆者の小谷孝子さんと中村紘さんから直接話を聞く機会があったことです。小谷さんは、恐ろしい被爆の瞬間を生き延びた経験を語り、特に亡くなった弟の思い出を大切に胸に抱えています。彼女の淡々とした語りの背後には、深い悲しみと反戦のメッセージが込められていました。一方、中村さんは「命は時間」であることの大切さを、教訓として伝える努力を続けています。彼らの言葉は、子どもたちの心に強く響き、取材の際には積極的に質問する姿勢を見せました。
朗読劇と感想の発表
また、不二女子高等学校の演劇部による朗読劇「サダコのメモ」も織り交ぜられ、佐々木貞子さんのストーリーが演じられました。この劇は、原爆の恐怖を伝え、観る人々に深く考えさせるもので、参加者はホールからの帰り道、彼らの感じたことを語り合いました。子どもたちの内面に平和の尊さが植え付けられた瞬間です。
最終的な成果
こうして完成した「子ども平和新聞」は、彼らの思いが込められた4枚の新聞として形になりました。各自の経験に基づいた記事を通じて、平和に対する意識を高める役割を果たしています。子どもたちは「これを書いたことで、少しでも平和状態を實現できるのではないか」と期待を寄せています。
持続する平和の思い
生活協同組合パルシステム千葉は、今後もこうしたプロジェクトを通じて、協同の精神に基づく社会貢献を続けていくことを宣言しています。この取り組みが平和の大切さを広める一助となり、次世代に受け継がれていくことを願ってやみません。