帯広で始まる新しいまちづくりプロジェクト
帯広市の中心に新たな風を吹き込む「帯広食べ歩きまち株式会社」が、2025年5月から本格的に活動を開始します。このプロジェクトは、食を通じて地域社会を再生し、観光や文化を盛り込んだ新しいまちづくりを目指しています。
プロジェクトの背景
近年、帯広市は郊外化や人口減少といった課題に直面しています。例えば、2023年には地域のシンボルとも言える藤丸百貨店が閉店し、地域に大きな影響を与えました。しかし、そんな中でも民間企業の挑戦が着実に形になりつつあります。帯広食べ歩きまち株式会社は、このような民間の課題解決の流れに乗り、市民や観光客が楽しめる新たな魅力を提供していきます。
食べ歩きまち構想の概要
本構想では、観光や食、文化といった地域資源を活かした体験型のまちづくりが進められます。具体的には、食べ歩きツアーやバスツアーを通して、訪れた人々が地域の美味しい食材や文化を直接体験できる機会を提供します。また、自分のペースで楽しめる“セルフツアーアプリ”も開発し、観光の幅を広げます。
さらに、エリアマネジメント事業として歩行者中心の空間整備を進め、観光客や市民が「もっと滞在したくなる」まち作りを実現することが目指されています。ここでの鍵となるのは、地域の人々同士の交流と、訪れる人々との新しいつながりを生むことです。
地域資源を活用した事業戦略
全国各地から訪れる観光客にとって、地域の農業や文化がどれほど魅力的かを伝え、リアルな体験を通じて地域のファンを増やしていくことが重要です。そのために、本プロジェクトでは以下の5つの事業領域を通じて、地域の魅力を引き出します。
1.
観光開発事業 では、「食べ歩きツアー」や「バスツアー」を展開し、まちなかを巡る楽しみを提供します。
2.
エリアマネジメント事業 では、歩行空間の整備や公の場の再利用を通じて、訪れた人がもっと滞在したくなる環境を整備します。
3.
観光統合型地域商社事業 では、地域産品を物語とともに届け、市場に流通させる仕組みを作ります。
4.
エリアプロモーション事業 では、SNSやデジタル広告を駆使し、帯広・十勝の魅力を広く発信していきます。
5.
データマネジメント事業 では、訪問者の行動データを収集・分析し、地域課題の解決に役立てようとしています。
経営体制と未来の展望
このプロジェクトの経営には、地域で活躍する様々なプレイヤーが関わっています。代表取締役には、十勝シティデザイン株式会社とHOTEL NUPKAの創業者が就任し、地域のリーダーシップを取ります。2025年6月には「帯広食べ歩きまちコンソーシアム」の設立も計画しており、地域の多様な主体と連携しながらまちづくりを推進する体制を整えます。
このように、帯広に新しい息吹をもたらすプロジェクトは、地域の魅力を活かし、さらなる発展を目指しています。食を通じて人々の心をつなぎ、地域を再生する試みが、帯広の未来を形作ることを期待しています。