日立製作所と東北電力が共同開発した不良予兆検知システム
株式会社日立製作所と東北電力ネットワーク株式会社、ならびに東北電力株式会社は、共同で開発した引込線以下設備不良予兆検知システムが第70回澁澤賞の発明・工夫、設計・施工部門を受賞したことをお知らせします。この受賞は、電気保安におけるさらなる発展を目指す取り組みの一環であり、特に設備の維持管理における革新性を認められたものです。
受賞の背景
引込線以下設備不良予兆検知システムは、まず初めにこのシステムの狙いと重要性についてお伝えします。従来、引込線以下の電気設備における不良兆候を見つけ出すことは非常に難しく、事故や停電を未然に防ぐための手立てが不足していました。そこで、日立と東北電力の専門家たちが一つになり、運用されているスマートメーターから得られるリアルタイム情報を活用することで、機械学習技術を利用した予測モデルを開発しました。
特に、瞬時に発生する電力障害や電圧の低下といった事象を分析し、これらを基に不良の兆候を事前に察知することが可能になりました。この成果は、ユーザーが安心して電力を利用できる環境を提供するための大きな一歩となります。
発明の詳細
受賞したシステムは、電気設備の安全を確保するための革新的な手段であり、特に以下の3つの機能を持っています。第一に、迅速な不良兆候の検知。これにより、事故のリスクを低減することが可能になります。第二に、データ分析による予見性の向上。多くのデータを機械学習を用いて処理することで、より精度の高い予測が実現されます。最後に、現場実用化に成功した点が特筆されます。これにより、実際の運用においてもスムーズな導入を果たし、ユーザーへの信頼性を築きました。
今後の展望
この受賞を機に、日立と東北電力はシステムのさらなる改良と普及に注力するとともに、電力設備の安全性の向上に貢献するための取り組みを強化していく方針です。デジタル技術を駆使した保安管理の発展を目指し、より多くの利用者がその恩恵を受けられるよう努めていくとしています。
澁澤賞について
澁澤賞は、電気作品の保安体制の確立に貢献した故澁澤元治博士の功績を称え、創設された権威ある民間の表彰です。この賞は、その理念を受け継ぎ、電気分野における優れた業績を表彰するものであり、今回の受賞もその精神を引き継いだ形となります。
電気保安の分野において、日立と東北電力の共同開発は新たなモデルケースとなり、今後の電力業界に新たな風を吹き込むことでしょう。さらなる発展に期待が寄せられます。
お問い合わせについては、日立製作所の社会ビジネスユニットまで、以下のリンクからご連絡ください。日本の電気保安制度の未来を感じさせるこの革新に、今後も注目していきましょう。