再生鉄材料導入
2025-01-17 13:34:55

キヤノン、環境に配慮した再生鉄材料をプリンティング製品に導入へ。

キヤノンが再生鉄をプリンティング製品に導入



キヤノンが、オフィス向け複合機や家庭用インクジェットプリンター、大判インクジェットプリンター、商業印刷機などのプリンティング製品において、2025年から新製品の一部で再生鉄(電炉鋼板)の導入を開始します。この取り組みは、産業界での資源循環を促進し、環境への負荷軽減を目指すものです。

再生鉄の特徴と利点



再生鉄とは、使用済み製品から回収した鉄スクラップを電気炉で加工して作られるリサイクル材料です。この方式により、新規資源の消費を減らすことができ、資源循環率を高める効果があります。また、従来の鉄鉱石から製造される高炉鋼板と比較しても、CO2排出量を約5分の1に抑えることができるため、環境保護の観点からも注目されています。

キヤノンにおいて、鉄材料はプラスチックに次いで多く使用されている重要な素材であり、再生鉄の採用によりさらなる資源の有効活用が可能となるのです。

高精度な分別による資源の有効活用



再生鉄を製造するためには、鉄以外の金属やプラスチック成分を厳密に分別する必要があります。ここで重要なのが、キヤノンエコロジーインダストリー株式会社による使用済み複合機からの高精度な鉄スクラップの分別です。これにより、純度の高い鉄スクラップを東京製鐵株式会社に供給しています。2020年4月から2024年3月までの間に、5,000トン以上の鉄スクラップが納入されています。

環境に配慮した製品開発



キヤノンは、東京製鐵社が製造した電炉鋼板を活用することで、環境に優しい製品の開発を進めます。これにより、限りある資源を無駄にすることなく、持続可能な社会への貢献を目指しています。

資源循環率の向上を目指す取り組み



キヤノンは、デジタルプリンティング事業において、資源循環率の向上を目指しています。2022年度の実績は約16%でしたが、2025年には20%、2030年には50%を目指して設定しています。再生資源の分別精度の向上や再生部品の再利用率向上に取り組むことで、資源循環のさらなる強化が図られています。2023年の資源循環率は約17%に達しています。

CO2排出量ネットゼロへの道



キヤノンは1988年からの「共生」という企業理念のもと、環境保全活動を積極的に展開しています。2008年以来、製品ライフサイクルを通じたCO2排出量の削減を目標に掲げ、これまでに年間約3.95%の改善を達成しています。今後は2050年にネットゼロを目指し、持続可能な未来に向けた取り組みを続けます。

キヤノンが再生鉄の導入を決定した背景には、環境への配慮だけでなく、持続可能な社会の実現に向けた企業の責任もあります。この大きな一歩が、他の企業にとっても模範となり、資源を無駄にしない循環型社会の実現につながることが期待されます。


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