名商大ビジネススクールのERSプロジェクト
名古屋商科大学のビジネススクールが進める「ERSプロジェクト」は、現代ビジネスにおける倫理、責任、持続可能性(Sustainability)を体系的に探求するための演習プログラムです。このプロジェクトは、単なる理論の学習に留まらず、実際に企業と連携しながら、参加者が実践的な知識と理解を深めることを目指しています。
ERSプロジェクトの目的と内容
「ERS」とはEthics(倫理)、Responsibility(責任)、Sustainability(持続可能性)の頭文字をとったものであり、これらの相互関係を深く考察することが本プロジェクトの大きな目的となっています。具体的には、名商大ビジネススクールでは体験型学習を基本に、理論的な枠組みだけでなく、実際の企業事例を通じて、倫理的な意思決定や企業の社会的責任がどのように企業の信頼性や持続可能な成長に寄与するのかを議論します。
2024年度からスタートしたこのプログラムは、春学期と秋学期の2回にわたって実施され、愛知県にある多国籍企業との協力を通じて、さまざまな企業のアプローチを学ぶ機会が与えられています。今年度は岐セン株式会社、株式会社ウッドフレンズ、トヨタ自動車株式会社、豊田通商株式会社の4社が協力企業として参加しました。
体験型学習の重要性
本プロジェクトでは、外国人留学生も多く参加しており、彼らは企業訪問やマネージャーとの面談を通じて、企業の取り組むERS領域に関する実情を肌で感じることができます。また、参加学生は実際に企業が抱える課題に対して解決策を提案し、それを基にプレゼンテーションを行います。さらには、協力企業に対するケーススタディを作成し、企業側に送付するという重要な経験も得ることができます。
例えば、丸紅株式会社名古屋支社との実習では、提案の内容をさらにブラッシュアップし、海外のケースディストリビューターや日本ケースセンターに登録を行いました。これにより、学生は実践的なスキルを習得するとともに、国際的な舞台で評価される経験も得られます。
留学生の視点とキャリアの形成
多国籍の学生にとって、ERSプロジェクトは単なる学びの場ではなく、ビジネスの倫理やサステナビリティに関する深い理解を得る絶好の機会です。彼らは日本の企業文化や産業界と直接関わることで、グローバルビジネスにおける複雑な課題に対する洞察を得ることができ、次世代のリーダーとしての資質を育むことにもつながります。
名商大ビジネススクールは、週末のMBA取得プログラムや税理士養成課程など、多様な教育課程を提供しており、全てのプログラムにおいて実践的なケースメソッドを採用しています。また、AACSB、AMBA、EQUISの三大国際認証を取得している唯一のトリプルクラウン校として、世界基準の経営教育を東京、大阪、名古屋の三都市で展開しています。
このように名商大ビジネススクールのERSプロジェクトは、学生にとって価値ある経験を提供し、未来のビジネスリーダーを育成するための重要な取り組みとなっています。