オムロンと青学が切り拓くVR技術の未来
オムロン サイニックエックス株式会社(OSX)は、青山学院大学との共同研究の成果を2025年にフランスで開催される「IEEE VR 2025」国際会議で発表します。この国際会議は、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)など、最新の技術研究が紹介される重要な場です。
画期的な研究テーマ「Transtiff」
発表される研究論文のテーマは「Transtiff: 硬軟変化可能なスタイラス型インタフェースを用いたバーチャル物体の硬軟知覚の再現」です。この研究は、バーチャルリアリティ体験において物体の硬さをどのように感じるかという触覚の感覚を高めることを目指しています。
VRの触覚再現の重要性
没入感を高めるために、VRにおいて物体を「触る」感覚をリアルに再現することが求められています。従来の技術では、実空間に物体を設けることでその硬さを調整し、触覚を表現していました。しかし、この方法には限界がありました。
新技術「Transtiff」の提案
そこでOSXと青山学院大学の研究チームが開発したのが、スタイラスの剛性を調整することで触覚の錯覚を生み出す「Transtiff」です。このスタイラス型インタフェースは、ユーザーが触れる物体の硬さを自在に変更できる点が特徴です。視覚情報を組み合わせることで、実際には硬い物体を柔らかく感じるという、新たな触覚体験を提供します。
幅広い応用可能性
この技術はVRゲームや遠隔操作、さらには医療分野でのトレーニングにも応用が期待されています。ユーザーが現実に感じる感覚と作用させるこの技術が、どのように新たな体験を生み出すのか、今後の動向が注目されます。
オムロン サイニックエックス株式会社について
オムロン サイニックエックスは、最先端技術の研究開発を行い、社会的な課題解決に向けた「近未来デザイン」を推進している企業です。AIやロボティクス、IoT、センシング技術を駆使し、技術革新に基づいたビジネスモデルや戦略を模索しています。大学や研究機関との連携を強化し、今後も技術の進化を加速させることを目指しています。
青山学院大学の役割
一方で、青山学院大学は建学の精神に基づいて、社会貢献に向けたリーダーシップを育成しています。多様性を重視し、研究と教育の質的向上を追求しているこの大学が、どのようにVR技術に寄与しているかも注目です。
まとめ
オムロンと青山学院大学の共同研究は、「IEEE VR 2025」での発表を通じて、VR技術の新たな可能性を提示します。このプロジェクトがもたらす革新が、どのように私たちのディジタル体験を変えていくのか、今後の展開に大いに期待したいところです。