50代以上の未婚男性が抱える将来不安、健康・資金・介護の実態とは

50代以上の未婚男性が抱える将来への不安とは

近年、少子高齢化が進む日本において、50代以上の未婚男性の存在が、ますます目立つようになっています。ジー・プラン株式会社が実施した調査によると、50代以上の未婚男性の7割近くが将来に対して不安を抱いていることが分かりました。本記事では、今回の調査結果を基に、彼らがどのような懸念を抱えているのか、またその根底にある心理について探ります。

調査結果から見る三大懸念

調査に参加した1,763名の50代以上の未婚男性のうち、約69％が将来に不安を感じていると回答しました。具体的には以下の三つが主な懸念点として挙げられました。

1. 健康：最も多くの回答（約1,197件）が寄せられ、「認知症になった際に世話をしてくれる人がいない」「寝たきりにならないか心配」といった切実な懸念が顕在化しています。自立した生活を続けたいという希望と、実際には助けが必要になるかもしれないという恐れが交錯する複雑な状況がうかがえます。
2. 老後資金：966件の回答があったこの項目では、「資産不足が心配」「物価高で収入が上がらない」といった意見が目立ちました。特に「老後資金の必要額が分からない」との回答は587件に達し、具体的な見通しを持てないことが浮き彫りになりました。預貯金を重視する一方で、株式投資やNISAに関心を持つ回答者もいますが、全体の4分の1が「何もしていない」と感じていることも見逃せません。
3. 介護：693件からの回答があったこの懸念に対しては、準備不足や頼れる人がいないという悩みが多く寄せられました。介護サービスについての知識不足も指摘され、家族への負担を心配する声が目立ちました。

孤立リスクと相談相手の重要性

さらに興味深い結果として、日常生活で「孤独や社会的孤立を感じる」と回答した人が559件も存在し、そのうち57％以上が相談相手が「いない」と回答しました。相談可能な相手としては家族や友人が挙げられていますが、親しい関係を持たない層では孤立が増す可能性が危惧される状況です。自由回答の中には、「猫を飼っているので、万が一の際にどうするか悩んでいる」といった具体的な不安も散見されました。

終活への意識は低い

驚くべきことに、終活を「すでに始めている」と答えた人は124件で、全体の約39％に留まりました。「何から手をつけていいか分からない」と感じる人が313件もおり、情報不足や具体的な動きに対するハードルが高いことが明らかになりました。身の回りの整理や資産整理といった項目は、三大不安と深く結びついていますが、行動に踏み出せない人が多いことには、心理的な障壁も窺えます。

まとめ

今回の調査結果を通じて明らかになったのは、50代以上の未婚男性が抱える心理的な不安と孤立の問題です。自立した生活を維持したい一方で、支援を求めることに対する心理的な抵抗が見られ、準備を進められない情報的・心理的な課題も存在します。これらは特定の層に限らず、多くの人々に共通する社会的なテーマであると言えるでしょう。

新サービス『HajiQto（はじくと）』の展望

ジー・プランは、今回の調査成果を基に新しいリサーチプラットフォーム『HajiQto（はじくと）』を開発中です。このサービスはシニア層の実際の声を集め、よりよい製品やサービスの開発に寄与することを目的としています。シニア世代のニーズを理解し、安心して暮らせる社会の実現に向けて貢献していく意義深い取り組みです。