ビジネスパーソンが語る在宅勤務と出社勤務の満足度とその実態

近年の働き方改革の一環として、リモートワークの導入が進んでいます。株式会社プロフェッショナルバンクのHR研究所は、在宅勤務と出社勤務の可能なビジネスパーソンを対象にした意識調査を行いました。この調査から、働き方に対する様々な本音が明らかになりました。ここでは、その調査結果を詳しくご紹介します。

調査概要

この調査は、2025年4月11日から17日の期間に実施され、有効回収数は1,075件。フルリモート勤務、完全出社勤務、ハイブリッド勤務の三つのスタイルに分類されています。また、対象業界はIT、金融、不動産など多岐にわたります。

満足度の分析

調査結果によると、いずれの働き方でも満足度は50％を超えるものの、特にフルリモート勤務の満足度が際立っています。フルリモート勤務者の約90.4％が「非常に満足」または「やや満足」と回答し、出社勤務者との差が明らかになりました。出社勤務者は「やや満足」と感じる人が47.0％に留まります。

フルリモート勤務の魅力

フルリモート勤務者の満足理由には、通勤のストレスから解放される点が大きいとされています。調査によれば、51.1％が「身体的・精神的疲労がない」と回答し、次いで「通勤に必要な時間を有効活用できる」との意見が続きました。このように、通勤時間が削減されることで、より集中できる環境が手に入ることがフルリモート勤務の強みとなっています。

出社勤務の利点

一方で、完全出社勤務者はオフィスでの集中した作業環境や迅速なコミュニケーションが味わえる点を評価しています。46.3％が「オフィスの方が業務に集中できる」と回答し、多くの人が出社のメリットを実感しています。

ハイブリッド勤務の満足度

ハイブリッド勤務者も高い満足度を示し、61.7％が「通勤による身体的・精神的疲労が軽減された」と感じています。リモート勤務と出社勤務の利点を併せ持つこの方式は、今後の働き方のスタンダードになり得るでしょう。

不満要因の整理

調査では、フルリモート勤務者の不満要因も浮き彫りになりました。「業務に外的要因が影響する」や「孤独感」がそれぞれ20.6％と同じ割合で不満項目に上がっています。これは、在宅勤務が進む中での課題とも言えます。

また、完全出社勤務者の不満も「通勤による拘束」と「身体的疲労」の項目が圧倒的に多く、通勤がもたらす負担がどれほど大きいかが裏付けられる結果となりました。

理想の働き方

最終的に、調査対象者に理想の働き方を尋ねたところ、フルリモート勤務者からは「フルリモート（47.3％）」、出社勤務者からは「ハイブリッド型（48.2％）」が多く選ばれました。特にハイブリッド型勤務者は79.6％が「ハイブリッド型」を理想とし、働き方の多様性が受け入れられています。

結論

この調査を通じて、フルリモートとハイブリッド型勤務の人気が浮き彫りになりました。通勤の負担軽減が、満足度の向上に寄与していることがわかり、企業側でもこの傾向を考慮すべきでしょう。今後は心理的ケアや業務効率向上に向けた工夫が求められる時代に突入しています。これからの働き方は、ますます多様化し、労働市場の変化に敏感に対応していく必要があるでしょう。