バージニア州ワシントンD.C.近郊で集合住宅が今春着工予定
住友林業株式会社と中央日本土地建物株式会社、そしてアメリカの大手デベロッパーHines社の3社が共同で進める賃貸用集合住宅プロジェクトが動き出します。このプロジェクトは、バージニア州ワシントンD.C.近郊に位置し、総戸数365戸の6階建ての集合住宅を予定しています。着工は2025年7月、賃貸開始は2027年の4月を目指しています。このプロジェクトは、住友林業と中央日本土地建物、Hines社の3社による初の協業となります。
物件の魅力
この集合住宅はポトマック川を望む約1,920エーカーの都市開発区域内で、唯一の賃貸用集合住宅です。特に、ヤングプロフェッショナルと呼ばれる高度な専門知識やスキルを有するビジネスパーソンや若年層カップルを主要ターゲットに設定しつつも、ファミリー層や中高年夫婦のニーズにも対応できる多様な間取りを用意しています。また、共用施設にはコワーキングスペースやプールも完備され、入居者の快適な生活を支援します。
特筆すべきは、上層5階に木造枠組み壁工法を採用している点です。この工法により、コストを削減し、CO2の排出量も抑えることができます。木材を多く使うことで、長期間にわたってCO2を固定し、環境負荷の少ない生活空間を提供します。
交通アクセスと周辺環境
この物件は、ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港から車で約40分、ワシントンD.C.中心部から南へ約50分の距離に位置します。I95号線や国道1号線にも近く、交通の利便性も非常に優れています。さらに、この展示会区域内には戸建住宅、学校、スポーツ施設、トレイル、ゴルフ場などが整備されており、今後新たな商業施設やオフィス、ホテルなども建設される予定です。1ブロック先には新たな通勤路線の駅も建設中で、生活利便性はますます向上する見込みです。
開発の背景と今後の展望
このプロジェクトの開発主体は、住友林業の完全子会社であるSFA MF Holdingsと中央日本土地建物の完全子会社Chuo-NittochiⅠLLCが共同で組成したJVです。この共同体にHines社が参加する特別目的会社(SPC)の設立も行っています。住友林業は2019年からHines社と共同で宅地開発に取り組んでおり、これが初の賃貸用集合住宅開発プロジェクトとなります。
住友林業は、不動産開発における拡大を目指し、2027年までに1万戸以上の賃貸用集合住宅を供給する計画を立てています。また、中央日本土地建物も米国でのさらなる不動産開発を加速させ、2024年には米国・サンフランシスコに現地法人を設立する予定です。
環境への配慮と将来的なビジョン
住友林業グループは、環境への配慮を基本に様々な事業を展開しています。木材を活用した建築方法により、森林のCO2吸収率を向上させることを目指し、長期的には脱炭素社会の実現にも寄与する方針です。中央日本土地建物も、不動産開発において環境性能を重視しており、今後も持続可能なまちづくりを進めていく姿勢を示しています。
新たな賃貸用集合住宅プロジェクトが、どのように地域の暮らしを豊かにし、また環境への配慮を持った開発として進んでいくのか、今後の動向が期待されます。