営業パーソンに関する新たな調査結果
株式会社アルヴァスデザインが、HR dockや奈良県立医科大学と共同で実施した大規模調査では、営業パーソン800名を対象に「動機づけ」と「顧客志向行動」の関係性が明らかになりました。この研究は、営業領域における動機づけの質が成果と行動特性にどのような影響を持つかを定量的に検証しています。
調査の背景
従来、多くの営業組織は「目標設定」や「インセンティブ」といった外発的動機づけに頼ってきました。しかし、近年、これが必ずしも成果を引き出すわけではないという見解が増えてきています。この背景には、動機づけの質によって結果が変わってくるという新たな認識が広がっています。そこで、本調査では内発的動機づけと外発的動機づけの両面を測定し、それが営業パーソンの行動や業績に与える影響を分析しました。
調査概要
この調査は2025年9月に実施され、以下のポイントに焦点が当てられました:
- - 目的: 営業パーソンの動機づけの違いが、行動特性・業績・評価に与える影響を解明。
- - 実施主体: 株式会社アルヴァスデザイン、HR dock、奈良県立医科大学。
- - 対象: BtoB営業職の800名(男性738名、女性62名)。
- - 方法: オンラインアンケート。
- - 調査項目: 動機づけの種類、顧客志向行動、職務適応、業績評価。
主な調査結果
本調査の結果は非常に示唆に富んでいます。特筆すべきは、
内発的動機づけがすべての顧客志向行動において重要な要因であるということでした。また、外発的動機づけは短期的な成果を生むことができる一方で、長期的な顧客関係の構築や周囲評価にはマイナスの影響を及ぼす傾向が見られました。これは、短期的な成果を追求するあまり、信頼関係の構築が疎かになる恐れがあることを意味しています。
結論
本研究は、単に「動機づけの量」だけでなく、「動機づけの質」が営業において重要であることを示しました。内発的な動機づけが、顧客理解や提案力、関係構築といった持続的な成果を促進することが確認されたため、営業組織の成果向上には内発的動機づけを高める環境を整える必要があると言えるでしょう。目標設定やインセンティブにだけ依存せず、営業パーソン自身の価値観や使命感を尊重したマネジメントが求められています。
今後の展望
アルヴァスデザインは、営業パーソンの活動を「楽しみ」と「価値創造」に向かわせる未来を目指し、本調査の結果を基にさらなる研究を進めていく予定です。顧客志向がどのように営業パーソンの働きがいを形成し、業績や評価に結びつくかを探求することが、今後の組織づくりにおいて重要なテーマとなるでしょう。顧客との信頼関係を重視した営業スタイルが、持続可能な成果につながると期待されます。
全体として、本調査は営業分野に新たな視点を提供し、営業マネジメントおよび育成方法の再考を促しています。より良い働き環境を作り出し、営業パーソンが自己の価値を感じながら仕事を楽しめるような設定が求められるでしょう。