映画館でしか味わえない、ヌレエフ版『くるみ割り人形』の魅力
冬の季節になると、多くの人々がバレエ『くるみ割り人形』を思い浮かべますが、その中でも特に注目すべきなのは、パリ・オペラ座によるルドルフ・ヌレエフ版です。2026年に映画館で上映されるこの作品は、ただの娯楽を超えた、深い心理描写と緻密な演出が魅力です。特に、エトワールのドロテ・ジルベールが演じるクララ役にも大きな期待が寄せられています。彼女にとっては最後のクララ役となるため、その演技が注目されるのは間違いありません。
パリ・オペラ座: 芸術の最高峰
350年以上の歴史を持つパリ・オペラ座は、世界中の観客を魅了し続けてきました。今回の『パリ・オペラ座 IN シネマ 2026』では、厳選された2つの公演が全国の映画館で上映され、まるで本物のオペラ座で観ているかのような高い臨場感が楽しめます。上映期間は2026年1月23日から3月19日までで、それぞれ1週間限定での上映です。
大人のための『くるみ割り人形』
バレエ『くるみ割り人形』の特徴は、その幻想的な物語の裏に隠された心理的な深みです。この作品は、元々はE.T.A.ホフマンの短編からインスパイアされており、クララが自身の内面の成長を遂げていく様子を描いています。著名な舞踊評論家、森菜穂美氏はこの作品を「大人のための『くるみ割り人形』」と評し、クララの複雑な心情に光が当てられている点を強調しています。
作品の冒険へと誘う演出
ヌレエフ版では、ドロッセルマイヤーと王子を同じダンサーが演じることで、物語に深い心理的な結びつきを持たせています。クララが憧れるドロッセルマイヤーの姿が、夢の中で王子として現れる展開は、実に独創的です。それにより、現実と夢の境界が巧みに溶け合い、観客に映画を観ているかのような感覚を与えます。
演出には心理的ホラー要素も含まれており、クララの内面世界を視覚的に表現する工夫がなされています。ネズミの襲撃や悪夢のクリーチャーが印象を強め、観客は彼女の心の複雑さに引き込まれることでしょう。また、華やかなディヴェルティスマンや、雪の場面はクラシックバレエの美しさを余すことなく楽しむことができます。特に、金平糖のグラン・パ・ド・ドゥでは、ヌレエフ特有の高難度の振り付けと美しい音楽が融合し、観客を魅了します。
特別な役割を持つドロテ・ジルベール
ドロテ・ジルベールは、まさにこの作品を象徴する存在です。彼女が演じるクララは、思春期の少女を見事に表現し、その優雅さと技術が観客を引き込みます。この公演は、彼女にとって特別な意味を持つ役どころであり、その演技には感情がこもることでしょう。注目するべきは、彼女とともにパートナー役を務めるギヨーム・ディオップで、彼は若々しい王子像と謎多きドロッセルマイヤーを見事に演じ分けることが期待されています。彼とジルベールのパートナーシップも、観る者を感動させることでしょう。
初めての映画館上映
ヌレエフ版『くるみ割り人形』は、今まで日本で上映されたことがなく、これが初の映画館での完全版上映となります。この貴重なチャンスを逃さず、ぜひ実際の劇場で体験してみてはいかがでしょうか。バレエの名作を映画館で堪能することで、皆さんの心に新たな感動が生まれることでしょう。
上映情報
- - 上映期間: 2026年1月23日(金)〜3月19日(木)
- - 料金: 一般3,000円、学生2,000円(税込)
- - 上映劇場: 札幌、仙台、東京、横浜、大阪、京都など、全国のTOHOシネマズで上映。
映画館でしか味わえない迫力のある『くるみ割り人形』を、ぜひお楽しみください!