AIで進化する食品卸しの未来
株式会社DATAFLUCT(東京渋谷区)と伊藤忠食品株式会社(大阪府)が共同で行った受注数予測AIの実証実験が話題を呼んでいます。この試みは、食品卸業界における発注プロセスの自動化を目指したもので、約4,500アイテムを対象にした実績があります。
発注業務の複雑さに挑む
食品卸業界は非常に複雑な商習慣があり、発注業務には多くの制約がともないます。季節性や販促による需要の急激な変動、各メーカーの異なるリードタイム、大型連休の休配、最小発注量、さらには賞味期限の管理などがその要因です。こうした背景から、物流業務の効率化が急務とされていました。
結果としての高精度な予測
DATAFLUCTは、独自に開発した「Airlake」というデータ活用プラットフォームを用いて、出荷実績データを一元化し、AIによる高度な分析を実施しました。その成果として、一部倉庫での重み付き平均誤差率(WAPE)が28.9%に達し、実務に即した予測精度が実現されました。この精度があれば、現場業務の負担軽減に大きく寄与するのは間違いないでしょう。
目指すは全自動化
本プロジェクトの最終的なゴールは、需要予測から発注最適化までの全過程を自動化することです。DATAFLUCTが構築した需要予測モデルを元に、伊藤忠食品は自社ノウハウを生かした発注ロジックを実装します。この際、過去の出荷実績データ、外部の気象やイベント情報を統合し、AIが受注数を予測します。この結果生成される「推奨発注数」により、現場担当者の判断を高度に再現し、作業の効率化を図ることが期待されています。
今後の展開について
今後、DATAFLUCTは特定の商品分類向けのモデルや外部データの更なる統合を進め、突発的な需要変動にも対応できる体制を強化していく予定です。また、全国の拠点への展開を見越したシステム設計や運用改善を行い、食品卸業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)をリードする次世代のサプライチェーンの実現を目指しています。
DATAFLUCTの背景
DATAFLUCTは、データを基にした商取引の新たな価値を提供する企業として、データ分析やAIの活用を通じて社会課題の解決を目指しています。特に、非構造化データを駆使したマルチモーダルデータ活用に注力し、誰もがデータを有効活用できる世界を実現することをビジョンに掲げており、食品卸業界の未来にも大きな期待が寄せられています。
この実証実験の成果は、今後の食品卸業界の効率化と持続可能な社会づくりに向けた重要な一歩となること間違いなしです。