荏原商事と茅野市の新たな協力関係
荏原商事株式会社(東京都中央区)は、地方自治体である茅野市と「災害時における支援に関する協定」を結びました。この協定は、埴原田配水池に設置された小水力発電設備を活用し、災害時においても水道の供給を確保する取り組みです。再生可能エネルギー100%で運用可能なこのシステムは、地球温暖化対策にも貢献しています。
環境対策とライフラインの強化
荏原商事は、上下水道や揚排水設備など、生活を支える重要なインフラを手がけている企業です。これまでにも多くの自治体と協力してきた実績を積んできました。特に、再生可能エネルギーに関連するプロジェクトでは、太陽光発電や小水力発電を利用したエネルギーソリューションが展開されています。
今回の協定により、埴原田配水池に設置された小水力発電設備は、FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)を活用して発電します。停電時には、この設備を非常用電源として利用できる自立運転機能が備わっており、水道の基本的な機能を損ねることなく、持続的な運用が可能です。
特徴的な機能と地域への貢献
この構築されたシステムでは、災害時にはスチームシャワーが無償で利用できるほか、ポータブル蓄電池も備えられており、宿泊者は洗髪や全身清拭の他、携帯電話の充電も行えます。このように、衛生面に配慮された設備が整うことで、災害時に必要な支援も充実しています。
具体的には、小水力発電から得られる電力量は、一般家庭約27世帯分に相当する年間108,000kWhを見込んでおり、売電収入の9%は市の収益に寄与します。このような再生可能エネルギーの活用は、全国的に見ても珍しい取り組みです。
今後の展望
荏原商事は、今後も省エネルギー設備の提供を追求し、脱炭素社会実現に向けた取り組みを強化していく計画です。災害対策においても、環境を考慮した整ったインフラの構築を目指しています。また、同社のSDGsに合わせた取り組みとなる今回の協定は、地球環境への配慮と地域との連携に基づく強靭な社会の実現に寄与するものと位置づけられています。
会社概要
荏原商事株式会社の本社は東京都中央区にあり、さまざまな機械設備や電気設備、環境関連施設の設計から施工、販売までを手がけています。また、再生可能エネルギー事業にも力を入れており、幅広い事業展開を行っています。正式な協定の締結式には、伊藤中部支社長や今井市長が出席し、その意義を強調しました。将来的には、さらなる技術革新を通じて地域社会への貢献が期待されています。