ミドルシニア世代の転職希望に関する調査結果
公益財団法人産業雇用安定センターが実施した調査によると、60歳の定年を迎えるミドルシニア世代の約3割が、定年前や定年時に転職を希望していることがわかりました。この調査は2025年7月に行われ、45歳から59歳の大企業に勤める社員900人の意見を集めたものです。
調査の背景
調査対象は、継続雇用制度を持つ大企業で15年以上勤務する社員です。この年代の社員がどのように自分のセカンドキャリアを考えているのかは、現在の社会において非常に重要な問題です。定年後の働き方や職場環境に対する期待が、将来の生活に大きく影響を与えるからです。
調査結果の概要
1.
働き方のイメージ
今後の働き方について「まだ決めていない」と回答した人が31.3%と最も多く、次いで「同じ会社で働くのをやめたい」、「定年を機に働くのをやめたい」が続きました。特に、転職希望者は定年をきっかけに新たな道を考えていることが見て取れます。
2.
転職の動機
定年前または定年時に転職を希望する動機に関しては、「新しい仕事に挑戦したい」、「自身のスキルを活かしたい」という回答が約6割を占めました。同時に、待遇が下がることや、希望しない仕事をしなければならないという理由も見受けられます。
3.
同じ会社で働き続けたい理由
定年後に同じ会社で雇用延長を望む人の約6割が、今の職場の環境や自身のスキルを評価していることがわかりました。特に新しい職場に馴染むことに不安を感じる声も多く、転職を躊躇する理由ともなっています。
4.
中小企業への挑戦
転職を考えている層の中には、中小企業やNPOに挑戦したいと考える人が4割以上いました。特に、自分の知識や経験を活かせる場所があれば、転職に対してポジティブな意見が多く寄せられました。
5.
支援の必要性
転職を考えている人たちに求める支援としては、ライフセミナーや転職支援の具体的な紹介、求人情報の提供が多く挙げられました。このことから、転職希望者が自らのキャリアを考える際に、どのようなサポートが必要かが明確になりました。
まとめ
今回の調査結果から、ミドルシニア世代が今後の働き方に対して非常に具体的かつ前向きな考えを持っていることが分かります。企業側もこのニーズに応えられるよう、環境整備や支援体制を整えていくことが重要です。これからの社会にとって、シニア世代が生き生きと働ける環境の整備が求められる時代に突入していると言えるでしょう。