次世代住宅に見るZ世代の生活スタイルとミニマル志向の変化

Z世代が求める次世代住宅の形

近年、Z世代の住宅事情に大きな変化が見られており、そのニーズを反映した新しい居住空間が求められています。株式会社マイホムが実施した「次世代の住宅設備ニーズ調査」では、Z世代と非Z世代の価値観の違いが顕著に表れました。特に、収納や家具、玄関といった従来の住宅設備に対する考え方が大きく変わってきています。

Z世代のミニマル志向

Z世代は、テレビや収納スペース、さらには玄関すらも「必要ない」と感じる傾向が強いことが分かりました。本調査によると、Z世代の32.7％が「玄関がなくても問題ない」と回答しており、これは非Z世代の12.7％と比較して約2.6倍の数字です。このようなミニマル志向は、限られた居住空間を効率よく利用し、居心地の良さを追求する傾向を反映しています。

生活必需品よりも「映え」を重視

Z世代は、生活必需品よりも「映え」を意識した設備に高い関心を寄せています。例えば、シアタールームや屋上での社交スペース、ウォーターサーバーの必要性は高まっています。調査結果によると、シアタールームの「あり派」はZ世代が34.7％を占め、非Z世代の17.7％を大きく上回っています。これに対し、Z世代が支持する屋上は、36.7％が「あり派」と答えており、友人たちと楽しむ映えの場としての人気が伺えます。

空間の境界を曖昧にするデザイン

特に都市部では、限られた住宅面積を有効に活用するために、内外の境界をあいまいにしたデザインが増えています。床や壁材を統一することで、空間全体に広がりを持たせることができます。このトレンドは、Z世代の住宅選びにも影響を与えており、特に「玄関をなくす」という新しいスタイルが支持を集めています。

Z世代の住宅の価値観

調査結果によると、Z世代の46％以上が「土間から入るスタイルに魅力を感じる」と答えており、特に屋外活動をサポートする位置づけが評価されています。屋外での使用アイテムを収納できる利便性や、自転車のメンテナンススペースとしての活用が求められています。こうした背景には、のちのライティングやデザインにも影響を及ぼす「映え」の意識が根底にあります。

シェアリングエコノミーの受け入れ

また、Z世代のレンタルサービスへの興味も増しています。調査では、42.7％のZ世代が「使ってみたい」と答える一方で、非Z世代は22％に留まります。この傾向は、個々のライフスタイルを最優先する時代の流れを示唆しており、必要な時だけを選択し、所有の概念を再定義する動きが見えてきます。

概要

全体として、Z世代の住宅ニーズはミニマリズムと映えの意識が強く、従来の住宅スタイルに捉われない自由な発想が求められています。この変化は、今後の住宅設計やマーケットにも大きな影響を及ぼすことでしょう。Z世代のライフスタイルと価値観に合わせた次世代の住まい作りが、今後ますます進展していくことが予想されます。