エスクリとノバレーゼが統合、新時代のブライダルが始動
2023年10月、エスクリ株式会社とノバレーゼ株式会社は経営統合を発表し、国内で最大級のブライダルグループが誕生することが明らかになりました。この統合により、両社の力量を結集し、450億円の連結売上高を目指すことが期待されています。新たな価値を創出し、競争力を高めるための具体的施策やビジョンについて詳しく見ていきましょう。
経営統合の背景
エスクリは2003年に設立され、東京23区や主要自治体において多様な婚礼施設を展開してきました。利便性の高い立地での運営に加え、建築・不動産分野にも進出。一方、ノバレーゼは2000年から「世の中に元気を与える」を理念に掲げ、シンプルで洗練されたデザインの婚礼施設を地方都市中心に展開しています。
両社は、共通の大株主であるティーケーピーとの関係を背景に、新たな成長の機会を捉え、業界再編のリーダーを目指してきました。少子化や価値観の多様化に直面するブライダル業界で、両社の統合は新しい風を吹き込むものとなるでしょう。
統合によるシナジー効果
1. 全国展開する婚礼ネットワークの構築
エスクリの都市型の駅直結施設と、ノバレーゼの地方中心の施設を組み合わせることで、全国をカバーする婚礼拠点が形成されます。自社運営の婚礼施設は、1都2府28県68施設に拡大し、ブライダル業界における知名度と競争力を強化します。
2. 内製化の相互活用
両社は、ドレスや装花、映像などの婚礼関連アイテムの内製化を進めています。ノバレーゼのドレスショップやエスクリの建設関連子会社を互いに活用することで、商品・サービスの付加価値を向上させることが可能です。
3. コスト削減と効率化
広告宣伝費や仕入れ、システム、採用を統合することで、経営をさらに効率化します。また、SNSを利用した集客戦略を導入することで、より費用対効果の高い運用が実現できます。
4. 人材とノウハウの融合
両社の教育・研修プログラムを統合し、サービスの品質向上を図ります。グループ全体での人材交流を進めることで、接客力や提案力を強化し、さらなる顧客満足度を追求します。
統合後のビジョン
結婚式の施行件数が減少する中、ブライダル施設の新たな活用価値が求められています。両社はブライダル施設の平日稼働率を向上させ、法人利用を拡大する戦略を採用します。特別な空間での企業イベントや懇親会の利用を促進することで、安定した収益の確保を目指します。
両社は「結婚式を通じて、人生の喜びを広げる企業グループ」として進化し、さまざまなライフイベントに寄り添うサービスを提供していきます。今後、エスクリとノバレーゼは、単なる企業統合を超え、人々や地域をつなげる「幸せのプラットフォーム」としての使命を果たしていくことでしょう。
この経営統合は、厳しい状況にある業界に新たな希望と価値を生み出す大きな一歩と言えます。今後のさらなる展開に期待が寄せられています。