ゼオンケミカルズ米沢に新たな研究棟が誕生
最近、日本ゼオン株式会社は、山形県米沢市に位置するゼオンケミカルズ米沢株式会社内に、植物由来の原料製造プロセス開発を行う新しい研究棟を設立しました。この施設は、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。
植物原料による新たな製造プロセス
この新設された研究棟では、合成ゴムの主成分であるブタジエンやイソプレンを植物原料から直接生産するためのバイオ技術の開発が行われます。これにより、資源の循環を促進し、持続可能な「カーボンニュートラル社会」を目指す取り組みが加速します。
日本ゼオンは、中期経営計画「STAGE30」の一環として、「カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現するものづくりへの転換」を掲げています。2030年までに、全体のCO2排出量を2020年度比で42%削減することを目指しており、この新研究棟の設立は、その目標達成に向けた重大な一歩となります。
研究棟の周辺環境
この研究棟は、山形県米沢市のゼオンケミカルズ内に位置し、周囲の環境も考慮されています。建物の延床面積は590.34㎡で、2階建ての構造になっており、実験室や会議室など、研究に必要な設備が整っています。竣工は2025年5月23日の予定です。
国の支援によるイノベーション
この取り組みは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業」にも採択されています。この基金事業は、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という国家目標の達成を支援するもので、経済産業省によって設立されました。
ゼオンと横浜ゴム株式会社が共同で推進する「炭素資源循環型合成ゴム製造技術開発」事業は、この基金の一環として位置づけられています。ゼオンが新研究棟での開発を進めていくことにより、2034年には植物原料からブタジエンとイソプレンを直接生産する技術の事業化を目指しています。
地域経済への寄与
さらに、今回の研究棟は山形県企業立地促進補助金の助成を受けているため、地域の産業振興にも寄与することとなります。これにより、雇用の創出や地域経済の活性化も期待されています。
このように、日本ゼオンの新たな研究棟設立は、持続可能な社会のための革新的な取り組みであるとともに、地域経済にも良い影響をもたらす重要なプロジェクトと言えるでしょう。今後の発展に目が離せません。