電通総研とTeamViewerの協力で製造業のDX化を促進

電通総研とTeamViewerの提携

最近、株式会社電通総研がドイツの企業、TeamViewer Germany GmbHとパートナー契約を締結しました。この契約により、両社は国内製造業向けに、拡張現実（AR）に関連する「TeamViewer Frontline」とリモート接続プラットフォーム「TeamViewer Tensor」を提供することを発表しました。それぞれの技術がどのように製造業を変革し、競争力を高めるのか、さっそく見ていきましょう。

パートナー契約の意義

電通総研の前島英人上席執行役員は、TeamViewerとの契約を「非常に名誉なこと」と表現しています。電通総研は PLM（製品ライフサイクル管理）、ERP（企業資源計画）、CRM（顧客関係管理）といった基幹システムを多くの企業に提供していますが、TeamViewerの技術と連携することで、製造、物流、アフターサポートの幅広い領域で総合的なソリューションを実現し、企業の生産性を向上させることが期待されています。

一方、TeamViewerのAPACプレジデントであるソジュン・リー氏は、電通総研が日本のテクノロジーエコシステムにおける重要な企業であると強調しています。この提携を通じて、両社は日本市場での事業展開を強化し、技術的に優れたソリューションを提供することで企業の価値を向上させることを目指しています。

製造業の課題と解決策

日本の製造業は、スマートフォンや電気自動車などの製品開発の進展に伴い、高機能化が求められる一方で、製品開発サイクルが短く複雑化しています。また、少子高齢化という社会的な問題とも向き合っており、生産年齢人口が減少する中で、企業は新たな解決策を求めています。これに対し、電通総研はTeamViewerの持つ先進的なテクノロジーを導入することで、製造業のDX（デジタルトランスフォーメーション）を多角的に支援しようとしています。

具体的には、長年にわたって提供してきた基幹業務システムやサービスライフサイクル管理（SLM）システムに、リモート接続技術やARの活用を組み合わせることで、製品ライフサイクル全体の効率化を図る狙いです。この新たなソリューションは、製造現場での実用化を目指しており、アフターサポートと連携させることで更なる生産性向上を実現します。

TeamViewerの強み

TeamViewerは、デジタル・ワークプレイス・ソリューションを展開するグローバルリーダーです。リモート接続やサポートのスタンダードを築いた同社は、全世界の66万社以上にこの技術を提供しています。その多様なデジタルエンドポイントを通じて、企業の業務プロセスの効率化を支援しています。特にAR技術の導入は、製造業における新たなスタンダードとなりつつあります。