医療業界の新たな試みが始まる
第一三共ヘルスケア株式会社とNTTドコモビジネス株式会社は、要指導医薬品の製造販売後調査において、国内初の電子化を導入しました。この革新的な取り組みは、医薬品の安全性確保や適正使用を支える重要な一歩であり、特に近年のセルフメディケーションの普及を背景に、要指導医薬品の安全性が一層重要視されています。
なぜ電子化が必要だったのか
要指導医薬品は、薬剤師による対面での指導が必要な医薬品で、厳格な安全性情報の管理が求められます。これまでの調査方法では、購入者が再度店舗に足を運ばなければならず、記入漏れや収集業務の非効率性が問題視されていました。従来のアンケート用紙に頼らざるを得ず、その回収率や集計結果が期待通りとならない課題もあったのです。
このような背景から、厚生労働省は2025年に電子的調査を正式に認可。これにより、紙の調査では取り切れなかった情報収集の遅延を解決し、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に期待が寄せられています。
NTTドコモビジネスの技術力
本プロジェクトでは、NTTドコモビジネスが提供するデータ収集サービス「SmartPRO®」が活用されます。このサービスは特に臨床試験などにおいてデータ収集を円滑に行えるよう設計されており、購入者は製品パッケージに貼付された二次元バーコードを読み取ることにより、簡潔にアンケートに回答することができます。これにより、回答率が向上し、必要なデータが迅速に集められるという利点があります。
ポイント制度も導入
さらに、NTTドコモは「dポイント」を通じたインセンティブを導入。このポイントは全国の加盟店で利用でき、購入者にとっても魅力的な利点となり、アンケート協力への回答を促進します。
今後の展開
第一三共ヘルスケアとNTTドコモビジネスは、今後さらに多くの要指導医薬品にこの電子化を順次導入していく計画です。これにより、製造販売後調査の効率と正確性が向上し、医薬品の安全性情報の収集体制が強化されることが期待されています。また、収集したデータを基にしたマーケティングや製品改善の施策も検討しており、OTC医薬品市場全体の進化に寄与すると考えられています。
医療の未来を見据えて
第一三共ヘルスケアは「セルフケア」を推進し、より健康的なライフスタイルを皆に提供するために様々な取り組みを行っています。これに合わせて、携帯通信事業のNTTドコモビジネスも医療業界のDXを進め、産業と地域が持続的に成長できる環境づくりを目指しています。
これからの医療は、デジタル技術の進化によってより進化した形にシフトしていくでしょう。私たちの医薬品の安全性及び適正な使用のために、今後の取り組みに注目です。