シドニーに新たな賃貸住宅が誕生
住友林業のオーストラリア子会社、Sumitomo Forestry Australia Pty Ltd(SFAU)が、豪州のCedar Pacific社との共同でシドニー近郊に新しい賃貸用集合住宅を開発します。これは総戸数217戸、9階建ての「Co-Living」型賃貸住宅で、2026年6月に着工し、2027年10月から賃貸が開始される予定です。
環境に優しい設計
このプロジェクトでは、地下1階と地上1階が鉄筋コンクリート造、2階から9階はマスティンバー建築を採用しています。マスティンバーとは、複数の木材を組み合わせて成形したエンジニアードウッドで、CO2の排出を約3割削減できるとされています。さらに、約1,800m³の木材を使用することにより、約1,500トンの炭素固定効果も期待されています。環境保護に貢献しつつ、快適な住空間を提供することを目指しています。
便利な立地
この物件はシドニーCBDから南西に約8キロメートル、Wolli Creek(ウォーライ・クリーク)エリアに位置しています。Wolli Creek駅に直結しており、シドニー空港までは電車で1駅(約2分)、CBDまでは3駅(約11分)の距離にあります。このような交通利便性から、主要エリアへのアクセスが非常に便利です。
ターゲットは若年層
Wolli Creek周辺には、約6割が20~34歳の若者で構成されているため、このプロジェクトは主に若年の専門職層や学生、駐在員などの単身者を対象にしています。全室スタジオタイプとなっており、各住戸には専用のキッチンとバスルームが完備されています。また、フィットネスジムやコワーキングスペース、ルーフトップテラスといった便利なアメニティも充実しています。
住宅不足解消の取り組み
オーストラリアでは人口増加やインフレの影響で住宅不足が深刻な問題となっています。特にシドニーでは地価や建築費が高騰し、若者にとっては住宅の購入や賃貸が困難になっています。このような状況の中、Co-Living型の賃貸住宅は、家具付きの専有部と共有スペースを備え、利便性が高くコストパフォーマンスも優れた選択肢として若年層に人気が高まっています。
住友林業はCP社との連携を通じてBTR(Build to Rent)事業に参入しており、今後も環境に配慮した賃貸住宅の開発によって、オーストラリアの住宅不足解消や住宅アフォーダビリティの向上に向けた取り組みを続けていく意向です。
物件概要
- - 物件名: Wolli Creek Co-Livingプロジェクト
- - 所在地: B14, Discovery Point, Wolli Creek, NSW
- - 総開発面積: 9,200 m²
- - 延床面積: 6,300 m²
- - 住戸数: スタジオタイプ217戸(1戸平均29㎡)
- - 構造: RC・木造混構造(地下1階と地上1階はRC造、2~9階が木造)
- - 着工: 2026年6月
- - 竣工: 2027年10月
- - 賃貸開始: 2027年10月
住友林業は、2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」を掲げ、木材を活用した持続可能な建築の普及に取り組んでいます。今後も、世界的な脱炭素化を推進していく姿勢を示しています。