Qobuz、2025年の成長を振り返る
フランス発の音楽ストリーミング・ダウンロードプラットフォーム、
Qobuz(コバズ)が2025年度の年次総括を発表しました。この年度は同社にとって過去最大の成長を収めた年とされています。特に、世界的な音楽ストリーミング市場が加速する中、Qobuzは独立系サービスとして高音質・透明性・公正なアーティスト還元という基本理念にのっとった事業展開で、欧州、北米、アジアの各市場において注目すべき成長を遂げました。
日本市場の戦略的重要性
日本では2024年10月にサービスを開始し、わずか12ヶ月で世界第6位へと浮上。新規ユーザーの獲得が特に顕著であり、アジア市場における展開はQobuzにとって戦略的に重要な地域となっています。2025年の実績として、日本市場がどのように成長に寄与したのかは、来年以降も注目されるポイントです。
世界の音楽業界の成長動向
音楽ストリーミング市場は依然として二桁成長を続けており、2024年には全世界で約7億5,200万人の利用者に達すると見込まれています。Goldman Sachsの最新レポートによれば、2030年にはその数が13億人を超えると予測されています。ストリーミングの売上も前年比で7.3%の上昇を見せ、業界最大の収益源となっています。この背景には、主要レーベルの成長を支えるストリーミングサービスの重要性があると言えるでしょう。
2025年の主なハイライト
1. 透明性の確立
Qobuzは2025年3月に、ストリーミングサービスの平均ロイヤリティ(1再生あたり約2.90円)を業界で初めて公開しました。この透明性の高いアプローチは、アーティストへの還元の新基準を確立し、ストリーミング市場における透明性への議論を先導しています。
2. “人によるキュレーション”の支持拡大
さらに、Qobuzは自社のミュージックチームを通じて独自の選曲や記事作成を進めており、数万点のプレイリストや独自コンテンツが評価され、新規ユーザーの増加に貢献しました。この“人によるキュレーション”は、Qobuzの独自の強みとなっています。
3. ストリーミング体験の向上
2025年には新たな技術的なアップデートとしていくつかの機能を追加しました。アプリから対応デバイスに直接ストリーミングできる「Qobuz Connect」や、Denon、Marantz製品で使用されるマルチルームシステム「HEOS」との統合が実現し、ユーザーの体験が大幅に向上しています。また、音楽との出会いを深めるためにディスカバリーページの刷新も行い、ユーザーに新たな選択肢を提供しました。
今後の展望
Qobuzは2026年も引き続き“高音質 × 公正 × 透明性”を基盤に、さらなる音楽リスニング体験の向上を目指していくとしています。独立系サービスとして持続可能な音楽エコシステムの構築を目指し、今後も新しい取り組みを続けていく予定です。
Qobuzの概要
Qobuzは2007年に設立され、現在では26か国で高音質の音楽体験を提供しています。オリジナル録音の尊重とともに、世界中のファンに優れた音楽体験を届けることに力を注いでいます。また、「Hi-Res Audio」認証を取得し、高音質コンテンツに対する信頼性も高めています。音楽愛好家にとって、今後のQobuzの展開から目が離せません。