東京理科大学創設者シリーズ第3弾企画展
東京理科大学が主催する「創設者シリーズ第3弾 企画展」が2025年10月1日から12月12日まで開催されます。この展覧会は本学が設立150周年を迎える2031年の準備として、学問の歴史や先人たちの貢献を振り返る目的があります。今回は「工学者を育成し、京都の近代化と地域振興に寄与した『京都の3人』」に焦点を当てています。
本企画展の特徴
取り上げられるのは、難波正(京都帝国大学理工科大学長)、三輪桓一郎(同大学教授)、そして玉名程三(第三高等学校教授)の3人です。彼らはいずれも東京大学の物理学科を卒業し、東京物理学講習所の設立に貢献した後に、京都において重要な役割を果たしました。展覧会では、それぞれの研究や教育活動を通じて描かれる彼らの人物像を紹介し、その新たな光を当てます。
展示内容の見どころ
この企画展では、各工学者が京都の近代化に果たした役割を多角的に展示します。例えば、難波正は日本初の商用水力発電所「蹴上発電所」に関与し、その第二期工事での貢献により発電量を増加させ、京都市の発展を支えました。この功績は、琵琶湖疏水とも絡む重要な歴史的事象です。これにより電力供給が安定し、京都市電の増設にも寄与しました。
三輪桓一郎は1894年に欧米に留学し、国際的な学術ネットワークの形成に貢献。展示では、彼がドイツで出席した「第3回万国数学者会議」の報告書も見ることができます。これは当時の学問がいかに世界と繋がっていたかを示す貴重な資料です。
玉名程三は1917年に「四易方位考」という易学書を執筆し、近代科学と伝統的思想との架け橋を試みました。この書籍も展示され、彼の独自の視点を探求する機会が提供されます。これらの貴重な資料は東京理科大学のコレクションに加え、各所から借用したものが含まれ、多様な視点からその業績を振り返ります。
関連トークイベント
この企画展に合わせて、いくつかの関連トークイベントも予定されています。
- 日時:10月25日(土)14:00~15:00
- 講師:持永芳文
- 日時:11月8日(土)14:00~15:00
- 講師:神野潔
- 日時:11月29日(土)14:00~15:00
- 講師:伊藤稔
これらのイベントは事前の申し込みは必要ありませんが、ぜひ興味のある方は参加してみてください。
アクセス情報
東京理科大学近代科学資料館は東京都新宿区神楽坂に位置し、JR飯田橋駅や東京メトロ飯田橋駅からのアクセスも便利です。無料で見学できるので、ぜひこの機会に多くの方に来場していただき、学問の蓄積の歴史を感じてもらいたいと思います。
創設者シリーズ第3弾企画展「京都の3人」は、歴史を感じさせるだけでなく、これからの学問に対する視野を広げる貴重な展覧会となるでしょう。皆様のご来場を心よりお待ちしております。