トヨタ・モビリティ基金が提唱する新しいカーボンニュートラル支援方法
一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(TMF)は、地方自治体の「2050年カーボンニュートラル」実現に向け、次世代車の普及に基づいた新たなCO₂排出量試算の手法を発表しました。2024年からの本格的な取り組みを通じて、自治体のカーボンニュートラル計画の策定を支援するとしています。この研究は、八千代エンジニヤリング株式会社との共同プロジェクトとして行われ、八千代エンジニヤリングの代表が「第72回土木計画学研究発表会・秋大会」で詳細な成果を発表しました。
研究の背景
政府が2020年10月に発表した「2050年カーボンニュートラル」宣言を受け、各自治体のCO₂排出量削減に向けた取り組みが求められています。しかし、従来の試算手法では、次世代車普及状況や燃料生産過程を含むCO₂の算出が十分に行われていないという課題がありました。これを受け、TMFは自治体が客観的に施策を選定できる試算手法を整備しました。
新な試算手法の特徴
TMFの新しいCO₂排出量試算手法は、以下の3つの要素を考慮したものです。
1.
燃料生産過程の考慮
車両の走行時だけでなく、燃料がどのように生産されるのかも含めた評価が行われ、実態に即した比較が可能です。
2.
旅行速度別の排出量評価
交通渋滞によって発生する低速走行時のCO₂排出量の増加や、最適速度での排出量特性を反映させ、交通状況による影響を詳しく分析します。
3.
地域ごとの燃料構成の把握
AIを用いたナンバープレート調査により、地域ごとに次世代車の普及状況を把握します。これにより、地域特性を考慮したより正確な試算が実現します。
評価結果と今後の展開
山口県周南市、福岡県糸島半島、鹿児島県肝属郡肝付町を対象とした試算結果からは、旅行速度の改善と小型ガソリン車を小型BEVに転換する施策が、約6%のCO₂削減効果を見込むことができることが示されました。特に、小型ガソリン車を小型BEVに100%転換することで、最大で50%の排出量削減が可能になるとされています。
今後は実走行データなどの詳細な情報を取り入れ、試算の精度を高めるとともに、異なるカーボンニュートラル施策の比較評価を行い、自治体に対して最適な施策の選定支援を続けていく予定です。
最後に
トヨタ・モビリティ基金は、モビリティを通じた持続可能な社会の実現を目指し、全てのステークホルダーと連携しながら幅広いプロジェクトを進めています。2024年から始まるこれらの取り組みは、地域の未来を大きく変える可能性を秘めています。今後の展開に注目が集まります。