若年層の心の病増加
2025-11-10 14:17:14

心の病が増加傾向にある若年層のメンタルヘルス調査結果

メンタルヘルスの現状と若年層の課題



2023年11月10日、日本生産性本部が発表した「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果は、コロナ禍以降の働き方の多様化を反映し、特に若年層のメンタルヘルスが深刻な状況にあることを示しています。この調査は2002年から始まり、今回で12回目を迎えました。調査対象は171社。結果によると、10代から20代の従業員に「心の病」を抱える割合が38.6%と最も高く、前回の調査(43.9%)に続いて最多の結果となっています。この結果は、過去2014年の調査から見ると、回答した企業割合が2倍に増えています。

増加する心の病



直近3年間の「心の病」に関する動向をみると、「増加傾向」との回答が39.2%を占めており、この大きな数字は依然として高水準を保っています。前回の調査での45%からはやや減少しましたが、それでも十分に注意が必要です。特に若年層の中でこの傾向が顕著であり、企業はこの問題を真剣に受け止め、対策を講じる必要があります。

ウェルビーイング経営の重要性



調査を通じて明らかになったのは、企業が進めるべき「ウェルビーイング経営」に対する理解が高まっていることです。従業員の「心身の健康維持・増進」が65.9%、エンゲージメント向上が62.9%と高く支持されていますが、一方でそれらの施策における評価指標が不明瞭であることが課題として挙げられています。現段階では、企業の取り組みをどのように評価し、改善していくかが重要な課題となっています。

働き方改革と組織文化



調査結果はまた、組織風土がメンタルヘルスに及ぼす影響に関しても示唆を与えています。企業の理念や方針が従業員に浸透していない場合、心の病が増加する傾向があることが明らかになりました。従業員が精神的に健全な職場環境で働くためには、企業全体の文化が重要な役割を果たすことが、さらに強調されています。

ストレスチェック制度の課題



ストレスチェック制度は、企業が過去10年間にわたって導入してきた施策ですが、その実効性には疑問が残ります。「集団分析結果の活かし方」が最も多くの企業から課題として挙げられ、続いて「高ストレス者への面接以外のフォロー」が課題とされています。企業全体での取り組みとともに、個々の従業員に対するケアの必要性が浮き彫りになっています。

結論



2023年の調査は、メンタルヘルスの重要性を再確認させる結果となりました。特に若年層の心の病が深刻な状況にある中で、企業はその問題を軽視せず、積極的に改善策を講じる必要があります。この調査結果をきっかけに、メンタルヘルスへの認識が広まり、働く全ての人々のQOL(生活の質)の向上が実現されることが期待されます。


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