神奈川県内「ほっともっと」で国産SAFの供給が拡大
株式会社プレナスは、持ち帰り弁当のブランド「ほっともっと」を通じて、廃食用油から製造される持続可能な航空燃料、いわゆるSAF(Sustainable Aviation Fuel)の供給を拡大する取り組みを発表しました。このプロジェクトは、2025年11月から神奈川県内の全「ほっともっと」店舗で始まります。
国産SAFとは?
SAFは、化石燃料ではなく、廃食用油などの再利用可能な資源を原料として製造された航空燃料です。この取り組みにより、空の旅を持続可能なものにすることを目指しています。特に、廃食用油を100%使用する場合、従来の航空燃料と比べてCO2の排出量を約80%削減できるというデータがあります。
増え続ける廃食用油の活用
プレナスは、国内で展開する「ほっともっと」や「やよい軒」、「MKレストラン」などの店舗から年間約510トンの廃食用油を集め、この原料をSAFの製造に供給します。この結果、年間で約1,275トンものCO2削減が期待されています。
取り組みの背景
近年、環境への配慮がますます重要視される中、持続可能な事業運営はもはや選択肢ではなく、必須とされています。プレナスは、持続可能な企業活動を進めるため、このプロジェクトに参加し、廃食用油を通じた環境対策を強化しようとしています。また、同社は日揮ホールディングス、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYと連携し、国産SAFの供給を促進しています。
フライ・トゥ・フライプロジェクト
プレナスが参加する「フライ・トゥ・フライプロジェクト」は、家庭や飲食店などで生まれる廃食用油からSAFを製造し、その燃料で航空機が飛ぶ未来を描いています。このプロジェクトは、国内の廃食用油を有効活用し、航空業界のカーボンニュートラルを実現する一助とすることを目的としています。
これからの展望
日本政府は、2030年までに国内航空会社が使用する燃料の10%をSAFに変える目標を掲げており、2050年にはカーボンニュートラルを達成する方針です。国産SAFの原料となる廃食用油の安定調達は大きな課題ですが、プレナスの取り組みがその解決への道しるべとなるでしょう。
持続可能な社会を目指す中で、食材から生まれる資源を有効に活用する選択は、私たち一人ひとりにも影響を及ぼします。今後もこのプロジェクトがどのように進展するのか、注目していきたいところです。