全国初!刑務所と保護犬が織り成す感動の育成プログラム
2025年12月6日、東京で開催された「第65回全国矯正展」で、全国初の試み「保護犬育成プログラム」が注目を集めました。このプログラムは、刑務所内で受刑者が保護犬を育てることで、犬の新しい家族を見つけることを目的としています。特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンの「ピースワンコ・ジャパン」が運営するこのプログラムは、犬の殺処分ゼロを目指す活動の一環として、多くの人々に感動を与えました。
合同の取り組み
全国矯正展は、再犯防止を意識した事業に取り組む矯正施設の努力を広く知ってもらうことを目的としたイベントです。この日、多くの来場者が集まり、刑務所で行われる様々な取り組みを知る貴重な機会となりました。
ステージイベントでは、尾道刑務支所での「保護犬プログラム」の実施状況が紹介されました。シェルターマネージャーの仁尾氏は、当初の犬の様子やプログラム開始当初の受刑者の試行錯誤について語りました。最初はケージの隅に隠れていた犬が、今では受刑者と共に過ごし、絆を深めている様子が見られました。
トレーニングの進展
トレーニングが進むにつれて、犬も受刑者も共に成長していきました。津村刑務官は、「一緒に過ごす中で、受刑者は犬との触れ合いを通じて心が温かくなった」と言います。更に、犬と一晩を共にする体験がその後の成長に大きく寄与したとのことです。パクスと名付けられた犬も、最初の恐怖心を克服し、人間に対する信頼を築いていきました。
このプログラムを通して、受刑者は他者を思いやる心を再び取り戻しつつあります。仁尾氏は、犬に対して徐々に慣れていく姿を見ながら、喜びを感じたと述べています。トレーニング終了後には、パクスが新しい家族の元へ里親として迎え入れられることになり、無事に社会に貢献する存在となることができました。
お別れのセレモニー
プログラムの最終段階では、お別れ会が行われました。受刑者は、パクスとの別れに感極まった様子を見せ、「努力を続ける大切さを教えてくれた」と感謝の気持ちを表現しました。この瞬間は、参加者全員に深い感動を与えました。
ピースワンコ・ジャパンの中田トレーニングチーフは、「受刑者とともに力を合わせて成し遂げた成功は素晴らしい」と語り、このプログラムの意義を再確認しました。安田刑務官は、「新しい保護犬のトレーニングに意欲的に取り組んでいる姿が印象的だった」と振り返り、受刑者たちの今後の前向きな姿勢に期待を寄せました。
ピースワンコ・ジャパンについて
ピースワンコ・ジャパンは国内外での人道支援に取り組むNGOで、犬や猫の保護活動や地域活性化にも力を入れています。広島を拠点に、全国で犬の殺処分ゼロを目指し、数多くの保護犬を新たな家族へと橋渡ししています。これからも彼らの活動を応援していきたいのです。
この感動的なストーリーが広く知られ、再犯防止や保護犬の立場が少しでも理解されることに期待が寄せられています。