森の中でアートが息づく「Wood Structure Artの森」プロジェクト
栃木県さくら市の喜連川ファミリーキャンプ場で進行中の「Wood Structure Artの森」プロジェクトに、東京電機大学・共立女子大学・北海学園大学の協力のもと、一丸となって取り組む学生たちの姿があります。このプロジェクトは、自然と人の記憶をつなぐことを目指し、2024年から2028年の5年間にわたり、地元の木材を活用してアート作品を制作・展示するものです。最終的には「アートの森」としての形を見せる予定です。
笹谷研究室の挑戦
東京電機大学の笹谷研究室は、今回のプロジェクトにおいて「こもりん」という作品を手掛けました。これは自然の中で楽しむことができる遊具を意図しています。子どもたちが登ったり、駆け回ったりできるだけでなく、大人はその場でリラックスし、森林浴を楽しむことができる設計です。学生たちはこの作品のデザインから、材料の調達、コスト管理、製作まで全てを自分たちの手で行いました。
初めての施工は、台風の影響で条件の厳しい雨の中に行われましたが、無事に完成報告会を迎えることができました。こうした製作経験を通じて、学生たちは建築の手法を身に着けるだけでなく、仲間との協力の大切さも学びました。
学びのフィールドでの探求
今年、プロジェクトには約20名の建築学科の学生が参加しました。4月に初回ミーティングを行い、その後はオンラインや現地での打合せが続きました。学生たちは現地調査やデザインワークショップを重ね、実際に栃木県産の木材を使い、遊具や装飾が一体となったユニークなオブジェを制作しました。
さらに、現地に宿泊しながらの作品設置作業や、伐採現場の見学、小学生との植樹体験を通じて、学生たちは森と人との関わりの深さ、木材という素材の魅力を体感的に学ぶ機会を得ました。また、地域住民や林業の関係者とも積極的に交流し、地域とのつながりを強化することを心がけました。
お披露目会の成功
9月6日(土)に行われた「こもりん」のお披露目会には、協賛企業の関係者を含む約150名が来場し、子どもたちにも新たなアート作品が楽しんでもらえました。遊具としての役割を果たすだけでなく、地域の人々との交流の場ともなりました。
笹谷研究室の未来
今後も笹谷研究室は、地域の木材を利用しながら、アートと建築を通じた持続可能な社会の構築を目指し、活動を続けます。このように、学生たちの手で自然とアートが融合する空間が創出されることで、地域に新たな価値が生まれることを期待しています。