YKK APが進めるガラス型ペロブスカイト太陽電池実装検証
YKK AP株式会社は、新たな太陽光発電技術であるガラス型ペロブスカイト太陽電池を用いた建材一体型太陽光発電(BIPV)の実装検証を開始しました。この技術は、建物の窓や壁面を利用して発電を行うもので、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。
実証実験の背景と目的
この取り組みは、2024年5月から株式会社関電工との業務提携を通じて進められています。これまで、様々な場所での実証実験を行い、ペロブスカイト太陽電池がビル等に囲まれた環境においても効果的に発電できることを確認しています。今回の実装検証は、その一環として実施されるものです。
具体的には、大阪市の谷町YFビルにおいて、既存の内窓を取り外し、新たにBIPV内窓を設置しました。この実証により、設置から施行、系統連系までの一連の作業を確認し、太陽光発電システムの設計や通線方法の検証を行います。また、発電性能やビル外観への影響についても調査し、さらなる改良を図ることを目的としています。
具体的な施工内容
実装検証は、2025年10月28日から約1年間続く予定です。対象となるのは、谷町YFビルの6・7階に設置されている窓で、合計27窓がBIPV内窓に置き換えられました。これにより、ペロブスカイト太陽電池がどの程度の発電能力を持つのか、実際のビル環境でのデータを集めることができます。
BIPV内窓の仕様
- - 窓の数: 27窓(6階:13窓、7階:14窓)
- - 使用する太陽電池: ガラス型ペロブスカイト太陽電池 27枚
- - パワーコンディショナ: 1台(系統連系対応)
- - 電気工事: 株式会社関電工が担当
これにより、ペロブスカイト太陽電池を用いた発電がビルの内装にどのように影響するのか、また発電効率がどれほど向上するのかを検証する予定です。特に、熱線反射ガラス越しでの発電性能や、外窓と内窓の間で発生する熱への対応について注目が集まります。
未来への貢献
YKK APは、今回の取り組みを通じて「窓で断熱」(省エネ)に加え、「窓で発電」(創エネ)を実現し、カーボンニュートラルへの道を切り拓いています。持続可能な社会の一翼を担うこの革新的な技術が、今後どのように広がっていくのか、大いに期待されます。これからの発表にも目が離せません。