NVIDIAとの提携で実現するAI仮想ワークステーションの新時代

CitrixとNVIDIAが手を組む



米国時間2025年3月19日、CitrixはNVIDIAとの提携を発表し、同社のNVIDIA仮想GPU(vGPU)を基盤とした人工知能(AI)仮想ワークステーションの提供を開始しました。この新たな提案により、特に厳しい規制のもとで運営される医療や金融、行政機関の企業にとって、AIアプリケーションの開発と試作ではセキュリティやコストの面で大幅な改善が期待されています。

AIアプリケーションの開発は、時間とコストがかかるだけでなく、特に規制が厳しい分野ではデータの保護やコンプライアンスに対する配慮が求められます。しかし、CitrixのDaaS(Desktop as a Service)とNVIDIA RTX仮想ワークステーションを組み合わせることで、企業は自社のインフラを活用しながら、AIの概念実証(PoC)や開発を安全に行うことができます。この協力により、機密情報が無防備な公開の大規模言語モデル(LLM)に流出するリスクを最小限に抑え、現行のGPUを最大限に活用することができます。

Citrixの共同社長であるスリダー・マラプディ氏は、「多くの企業がAIアプリケーションの開発を試みていますが、データセキュリティやコストの懸念からPoCの段階で止まってしまっています。本提携によって、NVIDIAのGPUを搭載したサーバーを利用する際に、AIアプリのPoC、開発、運用をより安全かつ効率的に行えるようになるのです」と述べています。

期待される効果



Citrix DaaSとNVIDIA AI仮想ワークステーションを組み合わせることにより、以下の効果を期待しています:

1. 情報流出リスクの低減:自社のデータや機密情報の保護により、安心感が得られます。公開のLLMに情報が流出するリスクを抑えることが可能です。

2. コストと時間の削減:既存のCitrix環境内でGPUを活用しつつ、コストを抑えたAIアプリケーションの開発や試作、PoCを実施。これにより、実用化までの時間を短縮し、IT部門も迅速に対応できるようになります。

3. AIアプリ利用のセキュリティ強化:本番環境でのAIアプリケーションは、DaaSもしくはCitrix Enterprise Browser内で利用できるため、セキュリティが一層高まります。

NVIDIAのエンタープライズ事業本部長、井﨑 武士氏は「NVIDIA vGPUを利用することで、仮想マシンからGPUを活用するソリューションを実現しています。これにより、多くの企業が求めるAI開発や運用をセキュアな環境で行えるようになると確信しています」と述べています。

Citrix DaaSの役割



Citrix DaaSは、アプリとデスクトップの仮想化を実現し、IT部門がオンプレミスまたはクラウドベースのリソースを管理できる環境を提供します。エンドユーザーはデバイスやOSに関係なくアプリやデスクトップへアクセスでき、各デバイスに依存することなく柔軟に業務を行えます。これにより最高のユーザーエクスペリエンスを提供しつつ、セキュリティは企業側が管理できる仕組みが整います。

この新しいAI仮想ワークステーションは、クリエイターやエンジニアにとっても画期的なものです。データセンターやクラウドから、あらゆるデバイスで高負荷のアプリケーションを利用でき、物理的なワークステーションに匹敵する性能を享受しつつ、セキュリティ強化に対する要求にも応えることができます。

Citrixのプラットフォームは、あらゆる企業規模において安全で柔軟な業務環境を構築する手助けをしてきました。これからも多くの企業が抱える課題を解決し、ビジネス変革を推し進めるための技術を提供していくことでしょう。詳しい情報は、Citrixの公式サイトをご覧ください。

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