株式会社WAVE1は、これまでマンションや集合住宅の防災を中心に事業を展開してきたが、元・在日米陸軍統合消防次長の熊丸由布治氏が防災事業部の専任部長に就任したことを契機に、工場防災分野へと新たに参入することを発表しました。彼は、米国FEMAの体系やNFPA基準に精通した専門家であり、その経験と知識を活かすことで、日本の工場における防災水準を引き上げようとしています。
この新しいステップでは、防火管理AI診断を導入し、企業や工場が抱える危機管理の「厚み」を増やすための各種研修や訓練も提供される予定です。従来の消防法に基づく設備点検だけでなく、初動対応や役割分担などのソフト面にもスポットを当て、現場レベルでの安全管理に関する見直しを促進します。特に、工場での火災リスクに対応する新しいシステムとして、IC(Incident Command System)とCERT(Community Emergency Response Team)を取り入れたオーダーメード型の訓練も行います。
日本では、火災による損害が年間1,000億円に達すると言われている中で、特に工場や倉庫での火災は一事例で数十億もの損害をもたらすこともあります。この状況を踏まえ、WAVE1は「診断」「訓練」「改善」のサイクルによる包括的な支援を行い、事故から予防への視点をシフトさせることを目指しています。具体的には、NFPA基準を取り入れた防火管理AI診断の高度化、CERT型初動訓練、危険物災害に特化したテーブルトップ演習など、多岐にわたるプログラムが展開されます。
さらに、WAVE1は行政とも連携し、全国へ防災研修の普及を図ると共に、マンションにおける安否確認システムや停電対策、共助組織の構築に関する研修プログラムも充実させていく予定です。熊丸氏は、「日本の防災文化を世界標準へ引き上げる」ことをミッションに掲げており、特に彼の持つ国際的な危機管理体系の知識は、国内の防災力向上に寄与すると期待されています。
WAVE1が取り組むこの新しい事業領域は、民間企業だけでなく自治体にも恩恵をもたらすものとなり、災害に対するマネジメントを総合的に行える環境の構築を目指します。これからの展望としては、管理会社や集合住宅の標準研修パッケージの構築や、マンションICSの導入支援、企業や工場向けの危険物初動訓練の拡大などが挙げられます。
株式会社WAVE1は、熊丸氏の比類なき経験と専門知識を活かし、日本の防災文化を根本から変えていくための具体的な取り組みを進めていく意向です。防災の重要性が増す中、彼とWAVE1は、企業や地域が自ら考え、行動する防災の仕組みを構築することで、将来的には「想定外」を排除する社会の実現を目指しています。これから目が離せない展開が続きそうです。