廃棄物を資源に変える新たな挑戦「.Garbon」とは

新たな循環モデル「.Garbon」始動

株式会社Gabが新たに展開する「.Garbon」は、炭化技術を活用し、従来再利用が難しかった廃棄物を人工皮革など多様な素材に変換する循環ソリューションです。この取り組みは、企業の廃棄物削減と環境への配慮を両立させるもので、マテリアル事業として進められています。

取り組みの背景

持続可能な社会の実現には、廃棄物削減と二酸化炭素（CO₂）排出量の低減が不可欠です。しかし、日本では毎年莫大な量の焼却灰が埋立てられ、廃プラスチックの大半が海外に輸出されるなど、大きな環境問題となっています。従来のリサイクル手法では、リユース率はわずか3%、リサイクル率も22%程度にとどまっており、これには限界があります。

こうした中で、2030年から2050年にかけて企業が掲げる「廃棄ゼロ」「カーボンニュートラル」の目標達成には、新たなアプローチが求められています。ここで登場するのが「.Garbon」であり、これは従来の「リデュース・リユース・リサイクル」に続く第4の解決策となります。

炭化技術による資源化

.Garbonは、プラスチックや衣料品、食品残渣など、多岐にわたる廃棄物を独自の炭化プロセスで処理し、均質な炭粉に変化させます。このプロセスでは、CO₂排出を約30〜50%抑えながら、原材料を生成可能です。得られた炭粉は、消臭・抗菌・遠赤外線効果を持ち、人工皮革、建材、繊維素材などへ幅広く利用されます。

廃棄物の循環を目指す

この新たな循環システムは、廃棄物の発生を抑えるだけでなく、資源として再利用することで、企業や自治体のCO₂排出量を削減し、持続可能な社会に貢献します。企業は「廃棄処理費用」ではなく「素材購入費用」として支払いを行うことで、経済的価値を見出すことができ、新たな収益を生み出す機会も生まれます。

「.Garbon Synthetic Leather」の紹介

「.Garbon」の製品群の一つとして、.Garbon Synthetic Leather（人工皮革）は、廃棄物由来の炭粉を使用し、機能性を高めた新素材です。この素材は、ファッションアイテムからインテリア、建材まで幅広く活用されており、高い耐久性や意匠性を兼ね備えています。また、再度炭化させることで100%再資源化されるため、サステナビリティに特化した商品開発が容易です。

今後の展望

.Garbonは、自動車業界を皮切りに、ファッションや建材など多様な産業へ展開を予定しており、ゼロウェイスト社の実現を推進しています。さらに、他企業や自治体との連携による「ゼロウェイストコンソーシアム」を構想し、より包括的な資源循環モデルの構築を目指しています。この取り組みにより、企業ごとに最適な資源循環の仕組みをデザインし、導入しやすい環境を整えていく方針です。