大正生まれの人々の言葉を未来へと継承するプロジェクトが始動!
2025年の時点で最年少でも100歳となる大正生まれの方々を訪ね、この貴重な世代の“生の言葉”を記録するプロジェクト「大正の人」が、全国で始動しました。この取り組みは、前回の「明治の人」出版から7年を経て、新たな一歩を踏み出したものです。
プロジェクトの背景
このプロジェクトを作り上げた代表の林さゆりさんが強く影響を受けたのは、彼女の祖母の言葉でした。明治40年に生まれた祖母の口癖、すなわち「ありがたい」「もったいない」「人様のために」「自分を下に」といった言葉は、林さんに「人として本当に大切なこと」を教えてくれました。この体験が、全国で明治生まれの人々を取材し書籍『明治の人』を出版するきっかけとなったのです。
その本には名もなき市井の人々の生の声が詰め込まれ、戦争や困難な時代を生き抜いた人々の言葉は、今でも多くの人々の心を打ち続けています。これらの教えが、現代に生きる私たちにどれほどの価値を持つのか、もう一度見つめ直すべき時が来ているのです。
プロジェクトの目的
「大正の人」プロジェクトは、二つの社会的意義を大切にしています。第一に、超高齢化社会において、100年もの時を生き抜いてきた人々の知恵を聴き、その記録を残すことで、高齢者に希望と元気を届けること。第二に、世代間の断絶が進む中で、家族の絆を再構築し、次世代に“心でつなぐ”架け橋を提供することです。
生の言葉の重要性
2025年、大正生まれの方々に直接“生の言葉”を聞くことができる機会は、限られてきています。「今、聴かなきゃ、もう聴けない」という強い思いのもと、取材が全国で進められています。このプロジェクトは単なる歴史の記録に留まらず、家族の対話を促進し、次の世代に必要なメッセージを伝えることを目指しています。
「ひいおじいちゃんに話を聴きに行こう」「長く会っていないおばあちゃんに連絡してみよう」。これらの言葉から、家族の絆を取り戻す勇気をもらえるはずです。
「年寄りには何も要りません。でも、たったひとつ必要なのは“家族の愛情”です」と語る大正生まれの方々の意見には、私たちが忘れがちな“生きる知恵”が隠れています。
取材協力のお願い
現在、株式会社夢ふぉとでは、大正生まれの方々からの取材協力を広く募集中です。ご自身の家族や友人の中に大正生まれの方がいらっしゃる方は、ぜひご連絡ください。このプロジェクトが、彼らの人生物語を未来に届ける一助になることを願っています。
未来を見据えて
また、関連イベントとして「敬老の日 子ども作文&パネルコンテスト」も毎年開催されており、こちらも注目されています。子どもたちが祖父母の物語を聞くことで、世代間の交流が深まります。2025年の第4回目開催も期待されており、このイベントも大切な家族の絆を深める機会となるでしょう。
この「大正の人」プロジェクトを通じて、私たちの未来に必要な“生の言葉”がどのように息づいていくのか、楽しみです。そして、何よりもその持つ力を信じて、地域の力になることを期待しています。