次世代電池の未来
2025-05-26 09:58:48

次世代リチウムイオン電池の未来を拓く、日本ゼオンの新たな投資

次世代リチウムイオン電池の未来を拓く、日本ゼオンの新たな投資



日本ゼオン株式会社(本社:東京都)は、台湾に本社を持つSino Applied Technology Co., Ltd.(以下、SiAT社)との間で、次世代リチウムイオン電池向け導電ペーストに関連する基本合意を締結しました。これにより、ゼオンはSiAT社の2,000万米ドル規模のシリーズC資金調達ラウンドに資本参加し、次世代のリチウムイオン電池に向けて、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を使用した導電ペーストの生産能力を拡大する支援を行います。

リチウムイオン電池の需要増加



リチウムイオン電池は、電気自動車、ドローン、さらにはeVTOL航空機などの民生用途だけでなく、AIサーバーや再生可能エネルギーのESS、自動化ロボティクスなどの産業分野においても利用が拡大しています。このような背景から、リチウムイオン電池の需要は急激に伸びており、特にSWCNTはそのエネルギー密度やサイクル寿命を向上させる材料としての重要性が増しています。

ゼオンの技術革新



ゼオンは2015年、独自のスーパーグロース技術を用いてSWCNTの量産に成功しました。この技術により生産されたSWCNTは、「高純度」「高比表面積」「高アスペクト比」といった特長を有し、ブランド名「ZEONANO®」として販売されています。また、SiAT社は20年以上の経験を持ち、SWCNTを安定的に分散し導電ペーストへと製品化する技術を持っています。

2024年以降、SiAT社では「ZEONANO®」を使用した新たな導電ペーストの開発が進む予定であり、そのサンプル評価ではリチウムイオン電池の正極および負極に微量添加することでエネルギー出力やサイクル寿命の向上が確認されています。この新技術により、次世代のリチウムイオン電池、特にシリコン負極や高容量・高出力性能が求められる電池への応用が期待されています。

将来的な展望



SiAT社は、今回調達する資金を活用して、2030年までに導電ペーストの年間生産能力を25,000トンに拡大する計画を掲げています。これに対応して、ゼオンもSiAT社のメインサプライヤーとして、日本国内でのSWCNT粉体の生産拡大を進め、CNT事業のさらなる市場開拓を目指します。

SiAT社の概要


  • - 社名: Sino Applied Technology Co., Ltd.
  • - 事業内容: CNT導電ペースト、LMFPペースト、CNTコートアルミ箔、ナノシリコン負極などの製造・販売
  • - 代表者: Langley Chen
  • - 住所: No. 33, Dongyuan Road, Zhongli District, Taoyuan City, 320023, Taiwan

この投資の実現により、両社は次世代リチウムイオン電池の技術革新に寄与し、持続可能なエネルギーの未来を切り開く役割を果たすことでしょう。


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