さいたま市で進む自動運転バス実証実験の詳細
埼玉県さいたま市では、国際興業株式会社が運行主体として、自動運転バスの実証実験を行うことになりました。この実験は「さいたま市レベル4モビリティ・地域コミティ」の一環として、2025年に実現を目指す自動運転レベル4のサービス導入を見据えた重要なプロジェクトです。
実証実験の概要
実施される実証実験は、国土交通省の「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」に選ばれたもので、市内の北浦03系統(北浦和駅西口と埼玉大学を結ぶ約4㎞の路線)を対象としています。具体的には、2025年に向けて自動運転レベル2を用いた走行が行われ、経営面・技術面・社会受容性に関するさまざまな課題を検証していく予定です。
実施期間と運行区間
実証期間は、2025年9月下旬から始まり、試乗は2025年10月下旬頃を見込んでいます。運行区間は、北浦和駅西口と埼玉大学を結び、途中の南与野駅北入口には降車のみ可能な地点も設けられています。
参加する企業と役割
本実証実験には、さいたま市を中心に各種専門企業も参加しています。全体を統括し課題や効果を計測するのは、オリエンタルコンサルタンツが担当。一方、A-Drive株式会社が車両の調達やリスクアセスメントを行い、アイサンテクノロジー株式会社は高精度3次元地図の作成と運行支援を行います。国際興業と西武バスも主要な運行主体となり、日々の運行経験から得た知見をもとに、円滑な運転をサポートする役割を果たします。
使用する自動運転バス
この実証実験で使用されるのは、いすゞ自動車株式会社製の大型バス「エルガ」です。自動運転仕様のこのバスは、定員が29名で、実験中の着座時には23名となります。バスは約11メートルの長さを持ち、最新の自動運転技術を用いています。
バスに搭載される高度な技術
実証実験に使用されるバスには、デジタル技術を駆使したさまざまなセンサーが搭載されています。赤外線レーザーを利用して距離を測定するLiDARや、ミリ波で周囲の状況を把握するミリ波レーダー、高精度なカメラによって周囲の環境を常に監視するシステムなど、革新的な技術が集約されています。また、雨や霧を感知するセンサーもあり、悪天候時の運行を安全に行えるように設計されています。
地域交通の未来に向けて
国際興業はこの実証実験を通じて、持続可能な地域公共交通ネットワークの構築に寄与し、地域社会のさまざまな課題解決に貢献することを目指しています。自動運転による効率的な交通手段の実現は、人口減少や運転手不足といった問題にも対処できる可能性があります。
この自動運転バスの取り組みは、今後の交通システムの在り方を大きく変える兆しとなるでしょう。地域の交通の未来をみんなで見守り、新たな移動手段の普及を楽しみにしましょう。